どうも暗い話題ばかりが続く中、久々にニッポンを明るくする話題が海外から届いたね。しかも、明るい光を作った発明なんだから、今回はこの話題から入らなきゃダメでしょ!
【ノーベル物理学賞、日本人が受賞】
14年のノーベル物理学賞が発表され、青色LEDの開発の功績を認められた赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏の3人が受賞した。中村氏はかつて在籍していた日亜化学工業と特許について訴訟ざたとなり、以前から話題になっていた。受賞後の会見では研究の原動力を「怒り」と語った。
まず、この3人には本当に「おめでとう!」を言いたいね。赤崎さんと天野さんが師弟関係で、その研究のライバルにあったのが中村さん。お互いに尊敬し合いながら、刺激し合っていた3人が同時受賞というのがこれまたシビれるじゃないですか。それで、またしてもノーベル賞受賞者が名古屋からというのもスゴい。中村さんは生まれも大学も就職先も全て四国だった。東大や京大からじゃないっていうのもイイ話だよね。
ただ、今回の受賞でクローズアップされた問題もある。新聞を見ると、中村さんだけ「日本出身」となっているでしょう。日亜とケンカ別れして、米国の大学教授になって、向こうの国籍まで取得していた。これは頭脳流出だよ!
もう少し日本の企業は個人の才能を評価しなきゃいかんよ。世界的な発明をしたのに、中村さんが当時の会社から得た報奨は2万円だけ。そんなの失礼だよ!発明した人にその成果を帰属させる仕組みを作らないとね。中村さんの提訴を機に、多くの企業が研究者と契約をしっかりするようになったようだけど、資源がない国が技術や頭脳まで失ってしまうことは避けないといけない。
ノーベル賞でもう一つ話題となったのが、憲法9条だったね。国際平和研究所が憲法9条を保持し続けた日本国民をノーベル平和賞候補の第1位にした。もし受賞していたら賞金はどうしていたのか。1億円以上らしいけど、国民で頭割りしたのかな(笑)。
結果的には受賞は逃したけど、憲法9条がこういう形で話題になって、それぞれその意義を考える機会になるのはいいことだね。憲法9条を考えるということは、目下の問題である集団的自衛権はもちろん、自衛隊の存在そのものについて考えることで、すなわち平和について考えるということだ。ガンジーのような「非暴力主義」がいいのか、米国のように「イスラム国なんかブッ飛ばして平和にすればいいんだ」がいいのか。最も正しい「平和を維持する方法」とは何なのかを考える契機になる。
私としては、日本が戦後70年近く平和だったことを考えれば、たとえ「米国のお仕着せ」だとしても、憲法9条のおかげで戦争に巻き込まれることがなかったと思うんだ。だけど、それをわざわざ変えようという人たちがいる。安倍総理の考えとしては「自国を守るための兵隊は日本人でなくては」という主張はいい。それが今、その枠から出ようとしている状態なんだよな。今まではあくまで後方支援までだったけど、集団的自衛権が行使できるようになれば「米軍と一緒に戦場で戦うぜ」ってことになる。それはもう別物。どんな形であれ、相手の陣地で銃を構えてしまえば、向こうにとっては「敵」なんだから。
そういうことに尽力するよりもさ、日本は新しいエネルギーを作ることに力を入れるべき。石油を欲しがって戦争しているなんて時代遅れだよ(笑)。青色LEDを作れる国なんだから、新エネルギーの発明で日本は平和をリードしていこうよ!
◆プロフィール みのもんた 1979年に文化放送を退社後、フリーアナとなる。以後、数々の番組で司会、キャスターを務める。1週間で最も生番組に出演する司会者のギネス記録保持者でもある。