テリー 結婚されたのはいくつの時だったんですか。
早瀬 30ぐらいです。
テリー 美人だからモテたでしょう。
早瀬 そうですね、向こうから次々と来ました(笑)。
テリー さすが(笑)。男が順番待ちしてるんだ! いいですねぇ。当時どうすれば早瀬久美を射止められたんですか。
早瀬 どうすれば‥‥?
テリー だって普通の男は恐れ多くて手を出せませんよ。やっぱり声をかけてくるのは役者さんばっかり?
早瀬 いえ、そういうこともありましたけど、やっぱりその当時の流行りの青年実業家とか。
テリー 青年実業家がいましたか、当時も!
早瀬 流行りだったんですよ。だって岡崎友紀ちゃんがソニーの御曹司と結婚したり。
テリー ああ! 確か星由里子さんもね。
早瀬 横井英樹さんのご長男と結婚されたでしょう。
テリー そうか、当時そういう流れがあったんだ。役者さんと青年実業家って、どこで出会うんですか。
早瀬 紹介が多かったですね。1人知り合うと「俺の友達の○○がまだ独身だよ」「金持ちだぜ」とか言われて(笑)。
テリー 何をもって青年実業家なんですか。会社が上場してる?
早瀬 でもね、その頃は今みたいに一代で成功したっていう人より、どこそこの息子さんとか、2代目、3代目みたいな人が人気でしたね。
テリー じゃあ、そういう青年実業家と、当時は早瀬さんも付き合って。
早瀬 そうですね。
テリー いいなぁ、うらやましい。早瀬さんは結婚願望ってあったんですか。
早瀬 ありました。30ぐらいまでにはしたいなと。
テリー じゃあ、付き合った中に当然結婚したいと思った男性もいたんですよね。
早瀬 いましたね。でも、ある時、土下座して謝られたことがあるんですよ。
テリー ええ、何で? 彼氏に?
早瀬 いたんですよ、ホステスの愛人が。
テリー あらら、二股かけられたんだ。
早瀬 そう。で、私と結婚したいけど、「長く付き合ってきた彼女がいて、彼女と話をつけなきゃいけないから、結婚するのに3年ぐらいかかる」って。
テリー 蹴っ飛ばしてやりました?
早瀬 ううん(笑)。土下座されて、「全然大丈夫です」って言っちゃいました。
テリー あ、そう。1億ぐらい慰謝料ブン取ってやればよかったのに。
早瀬 取らないところが私のいいところなんです(笑)。
テリー アハハハ、そうか。なんかYouTube見てても、早瀬さんは人柄がいいからね。
早瀬 あ、そうですか? 自分では特に人柄がいいとは思わないですけど、元旦那も、すごく私に感謝してくれてたみたいです。
テリー ああ、離婚された旦那さん? へぇ、どんなふうにですか?
早瀬 仕事が大変だったんですよね。ちょうどバブルが崩壊した時期で。
テリー それこそ旦那さんは実業家で、レストランとか経営されてた方なんですよね。
早瀬 そうですね。それで少しでも手助けになればと思って、私の貯金を渡したり、いろいろ一生懸命やったんですけど、その程度の金額で何とかなる話じゃなかったし、結局、旦那は家を出て行っちゃいましたね。
テリー でも、感謝してくれたんだ。
早瀬 というふうに人づてに聞きました。まあ、いいことばっかりじゃない。色々ありますよね。
ゲスト:早瀬久美(はやせ・くみ)1951年、兵庫県生まれ。1966年、「ミス・ジュニア・フラワーコンテスト」入賞をきっかけに松竹入り。同年、「紀の川」で映画デビュー。1968年、ドラマ「お嫁さん」(フジテレビ系)で初主演。1971年、ヒロインの吉川操役で出演したドラマ「おれは男だ!」(日本テレビ系)が大ヒット。その後、結婚を機に一時芸能活動を休業、2002年に復帰。現在は「早瀬久美のあの日をもう一度」(Tokyo Star Radio)にレギュラー出演中。YouTubeの「早瀬久美チャンネル」にて動画配信中。8月より「日刊ゲンダイ」にて連載コラム開始。