テリー 今は一人暮らしなんですか。
早瀬 そうですね。もう娘も30代後半で独立してますから。
テリー 再婚する気は?
早瀬 今のところないですね。パートナー結婚というのが流行りらしいので、自由な関係で旅行したり、新しいことに挑戦したりできる、よきパートナーと一緒に歩きたいとは思ってます。
テリー へぇ、いいなぁ。新しい挑戦って、例えば?
早瀬 実は9月12日から始まる「祖国への挽歌」っていう舞台に出させていただくんですけど、私、長いこと芸能人やってるのに、舞台で本格的なお芝居をやるのは初めてなんですよ。
テリー ええ、そうなんだ。
早瀬 そうなんです。大昔に北島三郎さんの歌謡ショーの中にお芝居の部分がちょっとあって、それに出させていただいたんですけど、ちゃんとした舞台は初めてで。
テリー じゃあ、けっこうプレッシャーもあるんじゃないですか。
早瀬 そうですね。でも、そんなに出番があるわけじゃないから。
テリー どういう物語で、早瀬さんはどんな役なんですか。
早瀬 主人公は日系人のマフィアのモンタナ・ジョーという人で。日系人で唯一、イタリアンマフィアの幹部にまでなったっていう実在の人なんですね。
テリー はい、わかります。映画にもなったりしている、かなり壮絶な人生を送った人ですよね。
早瀬 私はこの舞台のお話をいただいた時に初めて知ったんですけど。で、私はその人の妻役です。最初はアメリカ人の女性と結婚してたみたいなんですけど、最後は日系人の女性と結婚したらしくて。
テリー そうなんだ。じゃあ、早瀬さんは結婚してアメリカに住んでたし、役柄としてはピッタリというか。
早瀬 私がアメリカにいたのは80年代で、その頃はもう日系人の一世はあまりいなかったんですけど、二世、三世の方はいっぱいいたので、その空気感みたいなものはわかると思いますね。
テリー もうすぐだから、楽しみですね。
早瀬 それから私、もう全然自由だから歌を歌うんですよ。
テリー ええっ、どういうこと? ついに歌手デビューするの?
早瀬 いえいえ、そうじゃないんですけど(笑)。私、今まで歌ったことがなかったんですよ。それこそ昔、テレビで歌った時に大恥かいちゃって、「もう絶対に歌わない」って決めてたんです。
テリー へぇ。
早瀬 だけど、林寛子ちゃんっているでしょう。寛子ちゃん、(大田区の)雪谷でお店をやってるじゃないですか。
テリー ああ、はい、カラオケサロンですよね。毎日ミニライブをやってる。
早瀬 そうそう。それで寛子ちゃんから「出て出て」って言われてて、ずっと断ってたんですけど、「まぁ、1曲か2曲ならいいかな」って練習して、今年になってから何回か歌ったんです。
テリー いいじゃないですか。どんな曲を?
早瀬 「また君に恋してる」とか、昭和のヒット曲を4曲ぐらい。そしたら、けっこう楽しくて。練習したら、もうちょっとうまくなりそうだから、頑張ろうかなって思ってます。
テリー じゃあ舞台と歌と、YouTubeやラジオもあるし、ファンはますます楽しみが増えますね。
早瀬 そうですね。今ちょっと新しいことをどんどんやってる時期なので。これからも楽しそうなことを見つけて、色々やっていきたいですね。
◆テリーからひと言
青春時代のスターが生き生きしてると、こっちまで元気になるな。今度は寛子ちゃんの店で「さらば涙と言おう」を歌ってください。その時は行きますよ!
ゲスト:早瀬久美(はやせ・くみ)1951年、兵庫県生まれ。1966年、「ミス・ジュニア・フラワーコンテスト」入賞をきっかけに松竹入り。同年、「紀の川」で映画デビュー。1968年、ドラマ「お嫁さん」(フジテレビ系)で初主演。1971年、ヒロインの吉川操役で出演したドラマ「おれは男だ!」(日本テレビ系)が大ヒット。その後、結婚を機に一時芸能活動を休業、2002年に復帰。現在は「早瀬久美のあの日をもう一度」(Tokyo Star Radio)にレギュラー出演中。YouTubeの「早瀬久美チャンネル」にて動画配信中。8月より「日刊ゲンダイ」にて連載コラム開始。