まさかのCS4連敗という醜態をさらし、屈辱にまみれた巨人軍が、来季を見据えてチーム改革を断行すべく、大ナタを振り下ろす。しくじった選手は容赦なく解雇、冷遇され、新戦力をかき集めて穴埋め。リーグVでも背筋が寒い、激震の舞台裏をレポート!
セ・リーグ打撃ベストテンに巨人の打者は1人も見当たらず、2割9分7厘で13位の長野久義(29)がチーム最上位。投手陣も、最優秀防御率のタイトルを取った菅野智之(25)以外は、杉内俊哉(33)がかろうじて10勝したぐらい。総じて低調で、目立った活躍を見せた選手がほとんどいない今季、リーグ優勝できたのは、白石興二郎オーナー(68)が言い放った「MVPを選ぶなら原辰徳監督(56)しかいない」というセリフに集約されよう。すなわち「選手はダメだった」と言っているに等しい。巨人OBの野球評論家・関本四十四氏も、
「私も1カ月前、報道陣に同じことを言った。今年は大型連勝がなかったでしょう。監督の(現有戦力の)やりくりで勝ったんです」
まず粛清されたのは、川口和久前投手総合コーチ(55)と橋上秀樹前打撃コーチ(48)。球団関係者が言う。
「川口コーチはこの2年ほど、原監督との関係が悪化。問題になったのは、川口コーチと投手陣の信頼関係のなさでした。今年は投手交代がやたらと早かったり、本来なら投手コーチが監督をいさめたり、考え直してもらうよう意見するのが仕事。なのに川口コーチは風よけになってくれず、投手陣の不満が積もり積もっていった。そんな投手陣を見た原監督も『何でもっと選手に厳しくしないのか』と苦言を呈するようになり、川口コーチは板挟みに。結果、原監督は斎藤雅樹投手コーチ(49)ばかりを信用するようになったのです」
スポーツ紙デスクも言う。
「川口コーチは親しい球界関係者に『全然、信用してもらえない』と愚痴をこぼしていました。シーズン途中、CS前にはすでに『もう辞めるよ』とも」
退任した川口前コーチは、非常勤の編成業務に配置転換となった。
もう一方の橋上前コーチは、退団して楽天ヘッドコーチに就任するが、
「いわゆる『清武人事』で11年に巨人にやって来て、直後に『清武の乱』が勃発。ずっと肩身の狭い思いをしていました。入団して最初に原監督に挨拶に行った際、『ん? キミはユニホームを着るの?』とイヤミを言われたほどです。スコアラーじゃないのか、という意味ですよ」(スポーツ紙デスク)
橋上前コーチは阿部慎之助(35)が信頼する相談相手であり、阿部に意見できる唯一の人物だった。その阿部が、来季の冷遇NO1にあげられているという。
「これまで原監督は『慎之助のチームだ』と言って、打てなくても使っていましたが、もうそんな王様扱いはなくなります。あれだけ打てなくても(今季打率2割4分8厘)CSで4番に据えたのは、『もうお前の実力はわかっただろ』というダメ出しのためでもあったのです。原監督はついに阿部を見限ったと言っていい」(巨人担当記者)
シーズン中にはこんなトラブルも勃発していた。球団関係者が明かす。
「吉原孝介バッテリーコーチ(45)が後半戦開始と同時に二軍に配置転換されましたが、これは阿部のリードと原監督が考えていたリードがまったく合わず、原監督が吉原コーチに『何とかしろ。コーチのお前がきっちりやれ』と厳命。吉原コーチはそれができなくて、『お前は慎之助に文句も言えないのか。だったら明日から来なくていい』と言われ、二軍で育成コーチとなったのです」