忖度なき断罪だった。ジャニーズ事務所が設置した「外部専門家による再発防止特別チーム」(座長・林真琴前検事総長)が8月29日に公表したジャニーズ事務所の性加害調査結果と、藤島ジュリー景子社長への「辞職勧告」のことだ。テレビ関係者がいう。
「ジャニーズ事務所が委託した第三者調査機関なので、ジャニーズ事務所に不利益になるような調査結果は出ないのでは、という懸念がありましたが、想定以上にジャニーズ事務所に厳しい内容でした」
それも当然だろう。なにしろ調査結果によれば、
「ジャニー喜多川氏が1950年代から2010年代半ばまでの長期間にわたり、所属タレントらに性加害を繰り返していたと認定し、被害者は少なくとも数百人との証言を複数得た」
「事務所が組織的に性被害の告発を隠蔽した」
というのだから。
ジャニーズ事務所のタレントを「24時間テレビ」や「紅白歌合戦」でこれでもかと起用し、若手の冠番組を放映してきた日本テレビやNHK、テレビ朝日がシレッと報じているのも白々しい。それらの番組出演こそが「ジャニー喜多川氏が性加害を続けられた養分」「性加害の口実」になっていたというのに。
とりわけ矢面に立たされているのは、故・メリー氏とジュリー社長のお気に入りで、テレビ朝日でニュースキャスターも担当する東山紀之と、ジュリー氏が育てた嵐の桜井翔だ。芸能プロ関係者が言う。
「ジュリー社長への辞職勧告が出て、次期社長の候補として東山の名前が挙がっていますが、彼もまた被害者から『性加害を知っていた』『見ていた』と指摘されている。これでジュリー社長が退任し、東山が社長になったとしても『ただの傀儡』です。特別チームの辞職勧告が意味するものは、70年に及ぶ犯罪行為の放置と隠蔽を招いた世襲制と独裁の否定ですから、ジュリー氏だけでなく、彼女の息がかかったタレントも第一線から退くべきです」
ジャニーズの性加害について視聴者に刺さるようなコメントを発してこなかった東山と桜井に、今さら性犯罪や凶悪事件について論評する資格はあるのか。
(那須優子)