45歳下の妻を散弾銃で射殺、あとを追ってみずから頭を撃ち抜いた病院長の動機は何か。日本屈指の高級住宅街、東京・田園調布の豪邸の寝室を血の海に染めた無理心中事件。趣味人で、母親思いの面もある院長が、肉体関係においては大幅に年下の女性を求め続けた「若肌執着人生」と「死の真相」に迫った!
「無理心中の報道があった直後、松本さんの知人から聞いた話なんですが、松本さんが、『奥さんにボーイフレンドがいるかもしれなくて‥‥』と、漏らしていたそうなんです。それを聞いて、『45歳も年齢差があるから、やっぱり結婚生活はうまくいっていなかったのかな』って思いました」
そう話すのは、東京・大田区田園調布に建つ敷地約200坪の自宅豪邸の寝室で、妻の亜耶乃さん(30)の射殺体とともに遺体で発見された「横浜桐峰会病院」(横浜市)院長・松本義峯さん(75)の自宅近くに住む住民だ。
──10月17日午後1時10分頃、同じ病院に勤務する松本さんの次女(36)が、「父が出勤してこない」と警備会社に連絡したことで事件は発覚した。警視庁担当記者が解説する。
「警察が家を訪れると、2階の寝室で、義峯さんと亜耶乃さんが死亡していた。寝巻き姿の亜耶乃さんはベッドであおむけに倒れた状態でした。近距離から胸と腹を散弾銃で撃たれたため、胴体のあたりに血肉や粉砕した骨が飛び散り、シーツは血で染まっていました。隣には義峯さんの遺体があり、顔面の半分が吹き飛んだ無残な状態で散弾銃を抱えていました。喉元付近に銃口を当て、自分で引き金を引いたようです」
捜査に当たった警視庁田園調布署によれば、松本さんが亜耶乃さんを殺害後、自殺を図った無理心中と見て捜査を進めているが、遺書は見つかっていない。使われた散弾銃は、クレー射撃やハンティングが趣味という松本さんの所持品で、狩猟用散弾銃の許可を神奈川県から得ていた。
いったい娘ほどの年齢の若妻と松本さんとの間に何があったのか。地元の松本さんの知人はこう語る。
「あの家は、もともと画家の東郷青児さん(故人)の娘さんが、旦那さんと一緒に30年ほど前に住み始めました。松本さんは東郷さんの絵を集めていた縁で娘さんと知り合い、約10年前に(事件現場の)家を買うことになった。その際、松本さんは、『妻との離婚の話し合いがなかなか進まない』と言いながらも、20代の看護関係の仕事をしている女性と婚約したということで、『彼女と一緒に住みたい』と、購入目的を話していたそうです」
その婚約者には、ベンツを買ったり、ブランド品の時計をプレゼントしたり、相当入れ込んでいたようだ。
「松本先生は、婚約者にオネダリされたら断れない様子で、何でも『はい、はい』と聞いていた。でも、『体を触らせてくれないんだ』と愚痴をこぼすこともあった、結局、結婚はかなわなかったんです」(病院関係者)
その後、看護関係の仕事をしていた亜耶乃さんと知り合い、3年ほど前に「年の差婚」したのだった。