9月に入っても厳しい残暑が続くが、気をつけたいのが「日光アレルギー」だ。
これは、日光を浴びることが引き金で、皮膚にかゆみや赤み、発疹を発症する皮膚疾患のこと。「光線過敏症」「日光過敏症」などとも呼ばれている。
「日光アレルギー」は、「内因性」と「外因性」に分類される。前者は、詳しい原因が解明されていないものが多く、遺伝や他の病気が関係していると考えられている。
代表的な病気が「日光蕁麻疹」だ。日光が当たった部分に発症し、数時間以内に消えるが、重症の場合はめまいや頭痛など、全身症状を伴うこともある。
後者は、薬や化粧品を塗ったり、服用したりすることがきっかけで発症する。一部の薬剤や化粧品、香水、果物や野菜には、光に過敏に反応する物質が含まれている。それらを体内に取り込み、日光を浴びることで化学反応が起こり、皮膚に症状が出てしまうのだ。
代表的な病気に「光接触皮膚炎」がある。これは「光かぶれ」とも呼ばれて、一部の外用薬や香料、日焼け止めなどに含まれる物質が原因で発症する。光毒性物質を含むセロリやオレンジなどの摂取が引き起こすケースもある。
「光線過敏型薬疹」も外因性が要因だ。利尿剤や降圧剤、抗ヒスタミン薬、向精神病薬などの一部の内服薬が原因で発症する。
日光アレルギーを疑われる症状が現れた場合には、自己判断せずに、皮膚科を受診した方がいい。日光を浴びて発疹や蕁麻疹が出ただけでは原因がわからないからだ。診察の際には、症状が出た場面やタイミング、服薬中の薬、使用中の外用薬や湿布剤、化粧品などの細かい情報を伝えた方が正確な診断につながる。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。