北島康介らを育てた、今夏の世界水泳日本代表の平井伯昌コーチについて日本水泳連盟の金子日出澄副会長兼専務理事は9月6日、倫理規定違反によるけん責処分(文書による厳重注意)をしたと発表した。同日の常務理事会で決定したもので、来年2月末まで日本水連の強化プログラムやイベントへの参加をしない。運動部デスクが事情を説明する。
「平井コーチは来年のパリ五輪の強化プロジェクトメンバーにも選ばれていましたが、日本水連が段取りを怠り、選手強化を図っていないことや、それに対する改善策を全く聞き入れられないことに不満を募らせていました。そこへ7月、福岡での世界水泳で、日本代表は男女合わせて銅メダル2個と惨敗。その裏ではメドレーで泳ぐ選手の選考について、責任者が半ば高圧的な態度で交代を迫る一部始終を、インタビュー取材でブチまけた。水連からすれば『余計なことをやりやがって!』ということによる制裁措置です」
問題は、参加選手からもSNSで不満を発信されるなど、協会の体制が整っていないことだろう。
「五輪前、アマチュアスポーツはよく週刊誌沙汰になる事案が明かされますが、権力争いがきっかけになっていることが多い。今回の処分を機に、現体制に不都合な爆弾が飛んでくる可能性は高い」(前出・運動部デスク)
この揉め事はしばらく注視する必要がありそうだ。