群馬県と埼玉県の最恐心霊スポットとしてよく知られているのが、神流湖にかかる金比羅橋だ。神流湖は下久保ダムによって作られた神流川の中流にある人口湖で、金比羅橋はそこにかかる長さ175メートルの吊り橋。橋の東側は埼玉県、西側は群馬県となる。心霊スポットになった橋の例に漏れず、ここも飛び降りて自ら死を選ぶ人が続出し、最恐スポットとして認知されることになった。だが、他にもいわくがあるとオカルトライターは言う。
「神流湖には下久保ダムの建設中に亡くなった作業員の霊が出ると言われています。また、ダムによって湖の底に沈んだ集落があり、その怨念があるとも。また湖に近い町を舞台に『父親が妻と子供たちをチェーンソーで惨殺し、後に自死するという事件があった』などという、いかにも心霊現象が起きそうな噂もある。嘘か誠か、金比羅橋の周辺を巡ってはそんな話がいくつかあるんです」
そんな場所だけにマニアの間ではすぐに最恐スポットとして知られるようになったが、一般にも広まった事件がある。それは2009年にテレビの心霊を扱った番組で起きた。
お笑いコンビ・フォーリンラブのバービーが霊媒師と夜の金比羅橋をレポート。バービーは突然、「悲しくなりました」と言い出し号泣したため、霊媒師から除霊を受けることに。橋の上で撮った写真を確認したところ、バービーの写真に異常が起きたのだ。その写真をオカルトライターが解説する。
「バービーの顔をアップで撮った写真なのですが、彼女の両目の黒目の位置が左右に開きありえない状態になっている。写真が番組で披露されると、視聴者から悲鳴が上がりました。こんな写真が撮られた場所はどこだということになり、番組では匿名で紹介されていたのでネットで特定が始まり、すぐに金比羅橋ということが明らかになりました。こうして一般的にも広まっていったんです」
金比羅橋の恐怖伝説はその後も沈静化することはなく、今も続いている。
(鈴木誠)