セ・リーグ5球団全てに勝ち越し、「完全優勝」を果たした阪神タイガース。「この勢いでCS、日本シリーズもイケるのか」との質問に、あの落合博満氏ならなんと答えるか。
自身のYouTubeチャンネル〈【公式】落合博満氏のオレ流チャンネル〉でまず語った、今年の岡田彰布監督の手法は、
「今はもう、あれこれ選手を代えながら、日替わりオーダーというようなことが、だいたい主流になってきているでしょ。それを内野は大山(悠輔)、中野(拓夢)、佐藤(輝明)、木浪(聖也)、外野は近本(光司)と。それをまず固定したこというのが一番じゃないかな。固定するということは、打順の流れも線で繋がるんでね」
落合氏に言わせれば、岡田野球は「昔の野球」なのだと。それでもCSは、勝ち上がってきた勢いのあるチームと戦うことになるため、
「1つアドバンテージあるにしても、3つ勝つのはけっこう大変なことで。それに勝ったとしても、日本シリーズの7戦というのは別の作用が動くんで…」
というわけで、オレ流の結論は「これはまた(ペナントVの勢いとは)別モノ」。1985年以来となる日本一を達成する、とは断言できなかったのである。
かつての「中日・落合監督」ほど、CS導入で恩恵を受け、また翻弄された人物はいないかもしれない。2004年、06年とリーグを制するも、日本シリーズで敗退。落合監督が初の日本一に輝いたのは、2007年だ。この年から導入されたCSにより、2位・中日は3位の阪神に2連勝、1位・巨人に3連勝で日本シリーズに進出し、日本ハム相手に4勝1敗で日本一に上り詰めた。
2010年にはリーグ優勝し、CSも制して日本シリーズに進んだものの、パ・リーグ3位から勝ち上がってきたロッテの勢いに飲まれ、中日は2勝4敗1分で敗れ去っている。ロッテの捕手・里崎智也氏の「史上最大の下剋上」発言は、今も記憶に残るところだ。
落合氏の言う「昔の野球」を、阪神はCSでも貫くのか。岡田監督の短期決戦采配が見ものである。
(所ひで/ユーチューブライター)