パ・リーグでもクライマックスシリーズ(CS)出場権を目指す争いがデッドヒート中。その中で楽天はCS出場権を獲れなかった場合、激震のオフが待っている。
石井一久監督は今季が3年契約の最終年。昨季は最大貯金が「18」もありながら最終順位は4位に終わった。今季もBクラスで終われば当然、その去就は微妙になる。しかも、そんな石井監督については地元仙台での評判が芳しくない。楽天担当記者によれば、
「野村(克也)さんや星野(仙一)さんが監督をしていた時には地元企業の後押しもすごかったのですが、石井監督になってからはさっぱりです」
これに焦った球団では今年8月、48歳の森井誠之社長が就任。2007年、社員として星野イーグルスで日本一を経験しており、楽天傘下のサッカーJリーグ神戸、バスケットの仙台でも社長のキャリアがある。
「前任の米田陽介社長も38歳の若さで就任してかなり話題になりましたが、観客動員が上向かないということが交代の理由でした。オーナーの三木谷(浩史)さんの意向と言われています」(前出・楽天担当記者)
選手の職場環境はどうなのだろう。日本プロ野球選手会では毎年4月に12球団年俸ランキングを発表している。今季、球団別1位の巨人(1人平均6807万円)、2位ソフトバンク(同6763万円)は頷けるが、3位には楽天(同5353万円)が入っている。セ・リーグで18年ぶりに優勝した阪神(同4345万円)は12球団中7位だった。
ただ、選手側からの「契約更改の満足度」も発表しており、この点では阪神が60%で堂々のトップ。反対に12球団で最下位なのが楽天(24.19%)なのだ。
「給料はよくても働きがいはない球団と思われても仕方ありません」(スポーツ紙デスク)
仮に楽天がCS出場権を奪取しても、今季も7勝15敗と大きく負け越しているだけに史上最強のオリックスには太刀打ちできないだろう。親会社の楽天は携帯電話部門も大赤字から「球団売却」のウワサまで流れた。選手にとって年俸の大幅減はありえるが、勝とうが負けようがアップは望めない状況だ。
そして石井監督には、歴代監督が経験した三木谷オーナーからのプレッシャーがのしかかる。
「その重圧に結局は石井さんが耐え切れないんじゃないかというのが専らです」(前出・スポーツ紙デスク)
監督も選手も、シーズン最後の追い込みの時期にモチベーションは超低空飛行といえる。
(小田龍司)