来年のパリ五輪出場権をかけたバレーボールW杯(国立代々木体育館)で多くの「異変」が起きている。
「ワールドカップバレー」のフジテレビによる中継では1995年大会から2019年までジャニーズのアイドルユニットが7大会連続で公式サポーターを務め、バレーボールのW杯が大々的なメジャーデビューのイベントになっていたが、今大会ではいない。故・ジャニー喜多川氏の性加害問題が理由だ。
ジャニーズタレント起用の「見送り」が決まったのは8月。実はバレーボールW杯こそ、フジテレビとジャニーズの深い関係の原点でもある。
「95年大会はV6、99年大会では嵐など、ほとんどの大会でジャニー氏が自らキャスティングとプロデュースをして、そのユニットは一気にメジャーになりました」(バレーボール担当記者)
バレーボールW杯は今大会もフジテレビがゴールデンタイムで独占放映をしている。
「なぜ95年大会からジャニーズとタッグを組んだかわかりますか? この2年前の93年にサッカーJリーグが始まりました。それまではボール競技ではバレーボール人気がダントツ。ところがJリーグバブルでバレー人気を支えていた若い世代を一気にサッカーに取られてしまった。そこで焦ったフジテレビが、ジャニー氏に大会の演出を手伝って欲しいと直談判したんです。これでバレーボールW杯とジャニーズが合体する形になった。ジャニー氏はこのオファーに大いに喜んだそうです」(サッカー担当記者)
今回はジャニーズのアイドルユニットのデビューはなくなったが、男子バレーの人気があっという間にそれを抜き去った。7戦ある試合では全日程全券種で完売。
「最も高い1人1万8000円の席も即売り切れました。自由席にはウィークデーでも朝9時すぎから行列ができ、男子の公式グッズは連日売り切れるものもあります」(バレー担当記者)
ただ、どの局にも先んじて「脱・ジャニーズ」を図ったフジテレビでは、
「パリ五輪出場が確実視されていた男子代表が序盤戦につまづいてしまった。もう負けは許されない状況です」(フジテレビ関係者)
と、男子代表の結果にやきもきする日々がつづいている。
(小田龍司)