原辰徳監督の退任セレモニーとともに、阿部慎之助新監督が正式に誕生、そして就任の挨拶。それは今季最終戦の試合後に東京ドームで展開された、衝撃的な光景だった。
「巨人軍は優勝争いすることもできず、ファンの皆様にたいへん申し訳なく思っています」
まずは謝罪から始まった阿部新監督の挨拶は、
「とにかくファンの皆さんのために強い巨人軍、愛される巨人軍を作るべく、チーム一丸となって戦っていく所存です」
と新たな決意を示したが、監督云々ではないのだとクギを刺すのは、野球解説者の江本孟紀氏である。自身のYouTubeチャンネル〈エモやんの、人生ふらーりツマミグイ「江本孟紀」〉で語ったのは、
「働くのは選手なんですよ。そのいい例がね、監督が1年目でいきなり優勝したりするわけですね。監督未経験でね。優勝したりすることは偶然にありうることなんですよ」
その上で江本氏の不満は、選手の年俸が成績に見合っていない点にあった。菅野智之を例に挙げると、次のように辛辣な言葉で斬り捨てたのである。
「後半8月まで3勝ぐらいしかしていないということであれば、年俸は6億だの7億だの、はたまた10億だの、超高額年俸者ですから(実際は今季推定5億円)、最低限の成績を挙げなくてはいけない。最低限は軽く10勝以上だとみておりましたけど。監督が何をしようが、選手個人がそこまでレベルアップしなきゃいけない。選手は大幅減俸!」
確かに原前監督は第1次政権1年目の2002年、いきなりリーグ優勝と日本一を手にした。その後、監督在位17年間でリーグ優勝9回、日本一は3回。1年目が「偶然」ではなかった、と言わせるような輝かしい実績を残した。原監督は「名将」ではあるが、ここ数年は「選手のレベルアップ、成績」に恵まれなかった、ということか…。
阿部新監督の命運も、選手が奮起するかどうかにかかっている。
(所ひで/ユーチューブライター)