6月3日からスタートした2歳戦は今年も荒れ模様だ。9月23日の東西の新馬戦では中山3Rが3連単20万円、阪神4Rが73万円、夏の函館と新潟の重賞も2桁人気馬が連に絡んで34万円と18万円だった。一筋縄では収まらない2歳戦だが、種牡馬をチェックするだけでも、おいしいお宝馬が浮かび上がってくる。
真っ先に探すべきは、新種牡馬のスワーヴリチャード産駒だ。週刊アサヒ芸能連載でおなじみの伊吹雅也氏が解説する。
「23年の2歳戦(9月24日までに施行されたJRAのレースのみ。以下同)における種牡馬別成績を見ると、スワーヴリチャード産駒は1着数(15回)、連対数(27回)、3着内数(36回)のすべてで単独トップに君臨しています。出走数(69回)もエピファネイア産駒に次ぐ2位と多く、単勝回収率は249%、複勝回収率も124%に達していますから、狙わない手はありません」
9月16日の阪神3R(未勝利戦)では、単勝105.5倍(7番人気)のナムラフッカーが大外9番から果敢に逃走劇を演じ、2馬身差をつけて圧勝した。
「春の時点ではそれほど評価が高くなかったせいか、人気の盲点になりがちです。これまでのデータを分析してみると、外寄りの枠に入った時や少頭数のレースでより優秀な成績を収めていますね」(伊吹氏)
9月23日の阪神8R(野路菊S)を大外から制し、暮れのGⅠ阪神JFの有力候補に名乗りを上げたヴェロキラプトルにしても、新馬戦の時は単勝19.2倍(5番人気)だった。
スポーツ紙記者が話す。
「新種牡馬の中で注目度が高かったのはレイデオロの方で、まさかスワーヴリチャード産駒が早い時期から完成度の高い活躍馬を出すとは思わなかった。父ハーツクライ産駒は奥手の馬が多く、スワーヴ自身も初GⅠ制覇は4歳春の大阪杯でしたからね。スタリオン関係者も『将来的にダートでもバリバリ走りそう』なんて言っていたぐらい。まさにサプライズです」
周囲の評判を覆すかのように、東からも続々と大物が誕生している。
「牝馬なら7月9日の函館のデビュー戦で勝利を飾ったレガレイラ、牡馬であれば9月18日に中山の直線をノーステッキのままラスト10秒9で駆け上がって圧勝したショーマンフリート。両馬ともこの先が楽しみな逸材です」(スポーツ紙記者)
現在2歳リーディングサイアーだけに、今後は注目度も上がりそうだが、
「多頭数のレースが増えてきて、好走率や回収率が少しずつ落ち着いてくる可能性もあります。ただ、キャリアを重ねるとともに内寄りの枠や多頭数を克服してくる産駒は必ずいるはず。しっかりマークしておきたいですね」(伊吹氏)
5〜8枠は〈11・8・7・17〉で単勝回収率は驚異の366%(複勝回収率は167%)。外枠のスワーヴリチャード産駒を見つけたら、黙って買いだ!