中国・杭州で開催されている「アジア大会」で撮影された1枚の写真が、中国のメディアで「検閲」されていたという。
問題とされているのは、10月1日に行われた100メートルハードル決勝後の写真。レースは中国の林選手が金メダルを獲得したが、もう1人の中国人選手・呉選手はフライングにより失格となった。レース後、2人は互いの検討をたたえ合い抱き合ったのだが、その際、林選手の腰の横部分に付けられたレーン番号「6」のゼッケンと、呉選手の「4」のゼッケンが隣り合い「64」のように見えたのだ。
この様子はネットニュースなどで報じられたが、なぜかこのカットだけグレーで塗りつぶされたり、削除されている。ウェブウオッチャーが語る。
「中国では『64』という数字はタブーになっているんです。理由は1989年6月4日に起きた『六四天安門事件』を想起させるため。同事件では、政治改革を求める学生を中心に約10万人の民衆が天安門広場に集りましたが、当局はこれを武力で排除。死者は数百人から1万人以上とも言われています。偶然とはいえ並んだ数字が『64』になってしまい、一斉に検閲が入ったと思われます」
中国の若年層は、もはや天安門事件自体を知らないというが、偶然に重なった数字にも反応するとは何とも恐ろしい国だ。
(ケン高田)