前代未聞の大ゲンカが波紋を広げている。
読書の秋にちなんで「読めば読むほどためになる!そこまで読んでブックストア」と題する特集が展開されたのは、10月15日の「そこまで言って委員会NP」(読売テレビ)だ。いま注目されている書籍の著書がスタジオに登場し、委員会メンバーと議論を繰り広げる恒例の企画だ。
最初に登場したのは、旧統一教会問題でメディアに出ずっぱりのジャーナリスト・鈴木エイト氏。昨年7月の安倍晋三元総理狙撃事件で殺人罪などに問われている山上徹也被告と旧統一教会の問題について、自らの山上被告への取材をもとに論じている「『山上徹也』とは何者だったのか」が議論のテーマとなった。
ここで作家の竹田恒泰氏が、鈴木氏を批判する。
「関係ないのに一生懸命、関係を作っていって『ジャーナリストの名声を立てていこう』というようなアグレッシブな軌跡を歩んでいるように見えます」
その上で、今年4月の岸田文雄総理襲撃事件を例に出して、
「『彼のような悲しい存在を生まないために』って言ってるのに、第二の山上が現れましたよね」
と畳みかけ、鈴木氏の言論活動にも疑問を呈したのだった。当然ながら、鈴木氏はこれに「まったく根拠のないこと」と猛反論。さらにまくし立てる竹田氏に「うるさい!黙れよ!」と憤りを爆発させた。
その後、舌戦はますますエスカレート。
「事件をごっちゃにして議論してるのはあなたの方。あなたのようなおかしな人がいろんな発言してたから」
「私のおかしな発言って何ですか」
「そこ、確認してないです」
「聞いてないのに言うなよ、いい加減なこと!」
大荒れの展開となったわけだが、
「ハナから大ゲンカさせる前提で作られた、ヒドい企画。制作者の矜持を疑いました」
と表情を曇らせるのは、ベテランのテレビマンだ。
「旧統一教会問題について意見がまったく異なる鈴木氏と竹田氏がモメるのは、いわばテッパンの展開です。なによりタチが悪いのは『必読書籍』を紹介するコーナーと銘打ちながら、わざわざ罵声を飛び交わせて視聴率を取りに行っていること。醜悪というほかありません。番組の元委員長であるやしきたかじんは、こうした予定調和の展開を、心の底から嫌っていました。たかじんも草葉の陰で泣いていますよ」
この指摘を制作陣はどう受け止めるか。
(川瀬大輔)