プロ野球ドラフト会議が10月26日に行われる。
巨人は24日に阿部慎之助新監督も出席したスカウト会議を行ったが、吉村禎章編成本部長は「1位(指名)が誰と公表できる話になったらよかったんですが…」と全くの白紙状態であることを強調していた。ただ、中大・西舘勇陽(にしだて・ゆうひ)投手の1位指名が濃厚となっている。
今年は各球団がドラフト前に指名する選手を公言しない「隠密ドラフト」が流行りだ。「1位指名」を公言したのは広島(青山学院大・常廣羽也斗投手)、西武(国学院大・武内夏暉投手)ぐらい。ドラフト担当記者によれば、
「各球団が公言を避けるのは、他球団との競合を避ける意味と、どの球団が誰を指名するかの腹の探り合いのため。今回は特に大学の投手が大豊作の年で奪い合いの状況。情報戦がヒートアップしているんです」
2年連続Bクラスというドン底の巨人にあって「戦力補強」は不可欠。そんな中、最速155キロ右腕・西舘へのアタックが濃厚というのは頷ける。
そもそも巨人と中大の間には古くから太いパイプがある。それは1995年、V9戦士のひとりで中大OBの末次利光(旧名=民夫)スカウト部長時代から始まった。
「あの川上哲治さんと同郷(熊本出身)で薫陶も受けた末次さんは2005年までスカウト部長を務め、阿部監督や亀井善行(外野守備兼走塁)コーチらを中大からドラフト指名しています。中大野球部のOB会長も務めていましたからね」(巨人担当記者)
そんな巨人と中大の深い関係は他球団からも知られすぎているが、それを打破すべく、即戦力の評価が高い西舘獲りで競合する球団は果たして出てくるか。
(小田龍司)