恋愛感情を利用した「詐欺マニュアル」を作成・販売し、男性から金を騙し取る。10月22日までに3度の逮捕となった「頂き女子りりちゃん」こと渡辺真衣容疑者のことだ。渡辺容疑者は騙し取った4000万円もの金を「ホストクラブに使った」と供述したことから、その貢ぎ先として浮上したホストの男らも、組織犯罪処罰法違反の疑いで逮捕された。
組織犯罪処罰法とは「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」である。通常は振込詐欺集団や暴力団などが対象とされ、ホストクラブは犯罪組織とは関連性が低いとされる。だが今回は、渡辺容疑者とホストが犯罪行為を意図的に行ったとみなされたため、組織犯罪として取り締まられたのだ。つまりは、犯罪で得た金だと知りながら、使わせて利益を得ていた、ということである。
ひと昔前であれば、ホストは女性客を性サービス店などに紹介して稼がせ、店で大金を使わせるのがやり口とされていた。これをホスト業界では「風落ち(堕ち)」というのだが、昨今は職業安定法によって厳しく取り締まられるようになり、性サービス店に女性を紹介したホストが逮捕される事件も多い。歌舞伎町事情に詳しい裏モノライターによると、
「その結果、ホストが女性客に仕事の紹介を行わなくなりました。客を性サービス店に紹介すればマージンを受け取ることができたわけですが、それができなくなったんです。今、問題視されている立ちんぼは一見、女性が自ら体を売っている。ところが実際は、ホストが裏で手を回しているケースがあります。売春防止法違反にあたりますが、スカウトや店を通すわけではないため、警察の目をごまかしやすいんですよね」
だが10月に入り、警視庁は歌舞伎町周辺で立ちんぼの女を35人摘発したと発表した。立ちんぼに組織犯罪処罰法違反が適用されれば、芋づる式にホストが逮捕される可能性もある。ホスト業界に大々的なメスが入るかもしれないのだ。