新庄剛志監督の後継者が事実上決まり、札幌に激震が走った。北海道日本ハムファイターズは、稲葉篤紀ゼネラルマネージャー(GM)が2軍監督に、木田優夫2軍監督がGM代行に就任する人事を発表した。現役時代にタッグを組んだ新庄監督の下で働くことになった稲葉新2軍監督は、次のように語った。
「久しぶりのユニフォーム姿が、ちょっとコワい。ボスに叱られてしまうので、ユニフォームが似合うように鍛えようかな。ボスの言う要望に応えられるよう、準備はしていこうと思う」
球団関係者がコトの経緯を明かす。
「稲葉2軍監督はGMという肩書ながら、実情は一部トレードやスカウトに権限が限られ、球団上層部の小間使い的存在となっていました。今回の人事も『ポスト新庄』を見据えて、上からヤレと言われたから就任したにすぎない。本人が『びっくりした』と言うほどです」
稲葉2軍監督は2021年の東京五輪で、日本代表監督として金メダルを獲得。栗山英樹氏の後継として日本ハム監督となる予定だったが、プライベートのゴタゴタや週刊誌報道で潰えてしまい、かわりにGMを担った。
「新庄監督は来季が就任3年目となります。人気とパフォーマンス先行で、札幌ドーム閉場年やエスコンフィールド開場元年を盛り上げましたが、2024年もBクラスや最下位となれば、監督交代は避けられません。『有事』に備えて次期1軍監督に昇格できるよう、稲葉2軍監督を現場に戻した形です。札幌経済界との社交スキルが高く、親会社やスポンサー筋の愛顧を受けている。新庄監督の後継者として、差し障りはないでしょう」(地元メディア関係者)
2軍コーチ陣には昔なじみの清水雅治総合コーチや金子千尋投手コーチを配し、「その時」を待っているのである。
(田中実)