国際刑事裁判所(ICC)がロシアのプーチン大統領の逮捕状を取ったのは、3月17日。「ロシアがウクライナ占領地の子供を法律に違反して自国に連れ去った行為は戦争犯罪にあたる」との疑いからだが、欧米の情報機関の間からはこんな声が聞こえてくる。
「プーチンも悪だが、そのプーチンを後ろから焚きつけ残虐な戦争犯罪を仕掛けている、さらなる悪がいる。プーチンが失脚したとしても、その周囲も根こそぎなんとかしなければ、非道な行いはエスカレートするだけだろう」
その「周囲」の中で最も警戒すべき人物について、日本の公安関係者がこう語る。
「プーチン逮捕状がらみで『宣戦布告を意味することが分かっているのか』と裁判所を恫喝していた、メドベージェフ前大統領ですよ。ロシアはICCのカリム・カーン主任検察官と赤根智子氏ら3人の裁判官に対し、国内刑法にのっとって逆捜査する姿勢を見せている。この陣頭指揮も、メドベージェフが執っていると言われます。さらに昨年、ロシアがウクライナに侵攻する前に日本侵攻の計画があった、という不穏な情報が流れました。日本攻撃を強く訴えたのもメドベージェフだ、という説が有力なんです」
こうした点を踏まえ、公安関係者は次のように続けた。
「プーチンの後継として名前が挙がっているのは、メドベージェフとドミトリー・パトルシェフ農相。専門家の間では、この二頭体制が想定されていますが、これまでの功績を考えれば、メドベージェフが大きな力を持ちそう。となると、警戒しなければならないのはやはり、日本侵攻ということになる。3月21日、核兵器を搭載できるロシアの長距離戦略爆撃機『ポツレフ95MS』が日本海上空を約7時間にわたって飛行しましたが、これもメドベージェフが一枚噛んでいると言われていますからね」
ロシアは3月25日に、ベラルーシへの戦術核兵器配備を決定。「逮捕状」の効果は全くないようで、たとえプーチンが失脚したとて、日本に火の粉が降り注ぐかもしれないのだ。
(田村建光)