ここでなぞかけ。「羽生結弦のアイスショー」と「ホストクラブのシャンパンタワー」とかけて、なんと解くか…。
この週末に日本中、いや世界を驚かせたのが、ソチ五輪平昌五輪の金メダリストでプロスケーター、羽生結弦の電撃離婚だった。羽生はXの公式アカウントで、悲痛な心境を綴った。
〈様々なメディア媒体で、一般人であるお相手、そのご親族や関係者の方々に対して、そして、私の親族、関係者に対しても、誹謗(ひぼう)中傷やストーカー行為、許可のない取材や報道がなされています〉
〈これからの未来を考えたとき、お相手に幸せであってほしい、制限のない幸せでいてほしいという思いから、離婚するという決断をいたしました〉
「#羽生結弦」は中国、韓国、スペインなど、全世界のXのトレンド1位となった。それだけ世界に影響力を持つスターだけに、離婚後の元妻の前途が明るいとは言いがたい。
なにしろ今年8月の結婚報告後、X上には羽生を騙る偽アカウントが登場。その偽アカウントが結婚を否定したり、さらに「ゆづ(羽生を指す)の結婚は『フェイクニュース』」と狂信的なファンの呟きが相次いだ。結婚を祝うコメント数より、怨嗟のコメント数が多かった理由を、羽生の元追っかけマダムが解説する。
「ゆづがアマチュア選手時代、滑走後にプーさんのぬいぐるみの雨が降りましたが、あのぬいぐるみの数ほど、追っかけファンが存在します。1試合の追っかけ費用は、大会チケット代に1週間以上のホテル滞在費、さらに空港や会場の出待ちをするためのタクシー代と飛行機代…国内の大会でも50万円はくだらない。それが五輪イヤーとなれば、五輪プラチナチケット代やチケット手配にかかる手数料、渡航費用と、1シーズンで1000万円にのぼったこともありましたた。ところがファンの心の準備もなく結婚を発表され、しかもゆづの口からファンを納得させるような、結婚相手や馴れ初めの説明がなかった不誠実さと不信感が、お相手への憎悪に変わった、そんな熱狂的な追っかけは少なくないでしょうね」
自分の意思で羽生に入れ上げて数千万円も散財しておきながら、羽生夫妻に裏切られたと恨む心境は、ホストに入れ込んで性産業に身を投じるホストクラブ常連客の心情に似ている。
さて、冒頭のなぞかけに戻れば、その心は「お札の束と引き換えのキラキラした夢の世界は、一瞬のうたかた」。もちろんホストクラブと違って、羽生が全身全霊を捧げたアイスショーは、これからもファンに勇気と希望を与え続けるだろう。羽生自身の悲しみと引き換えに。
プロスケーターという立場上、これ以上、ファンの心情を逆撫でするような誹謗中傷やストーカー行為の詳細を語ることはないだろう。だが、離婚するまで追い詰められた元妻には誹謗中傷や脅迫、ストーカー行為の被害届を出し、生活と身を守る権利がある。ホストに貢いだ「頂き女子りりちゃん」のように、羽生に数千万円を「貢いだ」挙げ句、結婚相手への違法行為で犯罪者にまで身を落とす、狂信的な「追っかけファン」の逮捕者は、はたして出るだろうか。
(那須優子)