SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)に賛同しなかった二宮和也は今年、俳優としてノリに乗っていた。7月期は「日曜劇場 VIVANT」(TBS系)、10月期は月9の「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」(フジテレビ系)で、2期連続ドラマに出演。秋には主演映画「アナログ」も封切られて、役どころが異なる3作品に恵まれた。
二宮と同時期にSMILE-UP.を退所、独立を発表したのは岡田准一、生田斗真、屋良朝幸で、いずれも90年代のジャニーズJr.黄金期を支えたフロントメンバー。岡田は旧ジャニーズタレントで初めて日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞したが、2人目が二宮だった。元ジャニタレもアラフォーとなると、自立の道を選ぶようだ。
デビューからおよそ30年が経っても、二宮が売り手市場をキープしていられるのは、筆まめな一面もあるだろう。最近でいうと、17年に公開された主演映画「ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~」。大親友の西島秀俊との初共演作で、二宮は「麒麟の舌」と呼ばれる絶対味覚の持ち主で、すべての味を記憶して再現できる料理人・佐々木充を演じた。
作品は、佐々木が生きた2000年代初頭と、満州へ渡った天皇の元料理番で西島演じる山形直太朗がレシピ作成に人生を捧げた1930年代の2つの時代が描かれた。二宮は現代で、西島は昔。異なる時代に出演したキャストは、撮影現場も時期も違ったため、まったく顔を合せなかった。二宮は満州編のシーンは映像でしか観ておらず、一度も会わないままクランクアップを迎えたキャストが多数いた。雑誌編集者はいう。
「主要どころでは西島さんのほかに宮崎あおいさん、竹野内豊さんなど。3人には、直筆で手紙を書いたといいます。先に現代版を撮り終えたため、『これから暑い季節になっていきますが、そちらは撮影が始まりますが、お体に気をつけてください』という心づかいをして、『(満州編の)現場に行くことはできないので、よろしくお願いします』としたためたそうです」
LINEやメールで済ませることが主流となっているこの数年でも、二宮は手紙を重んじているという。
「それでも本人は、字の汚さに辟易しているとか。何度も書いては、引いて見て、『石ころがいっぱい並んでるみたいな字』に見えたこともあったといいます」(前出・雑誌編集者)
そんな気づかいを見せず、感じさせないのが二宮流。しかし、X(旧ツイッター)のフォロワーは205.2万人で、KAT-TUNの中丸雄一、Hey! Say! JUMPの山田涼介、Sexy Zoneの菊池風磨と継続しているYouTubeチャンネル「ジャにのちゃんねる」はチャンネル登録者数が驚異の420万人超え。飄々としているが策士であることも、人気の要因といえよう。
(北村ともこ)