数々のトレンディードラマを生んだフジテレビの月9ドラマ枠が、存続の危機に瀕している。
嵐の二宮和也、大沢たかお、中谷美紀がトリプル主演する「ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~」の視聴率が下降線をたどり、さながら「公開処刑」の域に入っているのだ。
春クールに満を持して登場した木村拓哉主演の「風間公親-教場0-」は初回こそ平均世帯視聴率12.1%に踏みとどまったものの、第6話には8.3%まで落ち込み、ドラマ後半は最終回を除いてひとケタ台で推移。6月末の特別編も5.8%にとどまった。
視聴率低迷は夏クールまで引きずり、森七菜と間宮祥太朗がダブル主演した「真夏のシンデレラ」は、同枠では19作ぶりとなる初回視聴率ひとケタを記録。全10回の平均世帯視聴率は5.7%と、月9始まって以来の史上ワーストとなった。
「ONE DAY」も初回視聴率7.8%と、2期連続の10%切りでスタート。初回見逃しネット配信の視聴者数は260万ポイントを超えたとの報道もあったが、第2話の視聴率はさらに2.3ポイントも下がる5.5%に落ち込んだ。このまま挽回することがなければ、全10回の平均世帯視聴率は「真夏のシンデレラ」のワースト記録をさらに更新する可能性が出てきた。
そもそも最終回の視聴率が19.6%をマークしたTBS日曜劇場「VIVANT」を牽引したのは、主演・堺雅人の「目だけで二重人格を演じる」表現力、阿部寛の安定感、顔は別人なのに同一人物を演じ切った林遣都と役所広司の熱演と「ドラム」ら、適材適所のバイプレイヤー達だった。劇中の人物でただひとりだけ青白い顔の二宮は、最後まで「シークレットキャスト枠」で終わり、視聴率に貢献したとは言い難い。テレビ関係者が渋い顔で言う。
「10月中旬だというのに、気温25度超えの日もある。今年の秋はハロウィンですらイマイチ盛り上がらない。なのに今からクリスマスのドラマを見ようと思いますか。さらにジャニー喜多川氏の性加害が問題視されてから、特に子供がいる世帯のジャニタレ離れが広がっている。二宮が出ると視聴率が数%カサ上げされる、二宮は潜在視聴率が高いと言われてきましたが、それも旧ジャニーズ事務所の圧力ゆえだったという『金メッキ』が剥がれました。これなら大沢と中谷を中心にした脚本に変更した方が、まだよかったかもしれない。映画『キングダム』で体重を20キロ増やし、古代中国の名将・王騎になりきって称賛された大沢の勢いも、これで止まってしまった」
「ONE DAY」はミステリー仕立てなので、話が佳境に近づけば見逃し配信を見た視聴者が倍増する希望はあるのだが…。