私が「スポーツスタッキング」の存在を知ったのは、「それって!?実際どうなの課」(日本テレビ系)で、女優・森川葵がこの競技に挑戦した回を見た時だった。「スポーツスタッキング」とは、プラスチック製のカップを決められた形に積み上げたり崩したりして、そのタイムを競うスポーツだ。森川は韓国で開催されたスポーツスタッキングのアジア大会(11月19日まで開催)に日本代表として出場し、団体で金、ペアで銀、個人で銅のメダルを獲得している。
今まで森川が同番組で挑戦したのは、この「スポーツスタッキング」だけでなく、「金魚すくい」「クレーンゲーム」「石投げ水切り」「ロックバランシング」「ダイススタッキング」「テーブルクロス引き」「ヨーヨー」「ア-チェリートリックショット」「アーティスティックビリヤード」などなど。ほかにも様々な競技や大道芸の高難度スゴ技に挑んでいる。
その都度、その道の達人が森川を指導するのだが、毎回、限られた撮影時間の中で、達人も舌を巻くほどの速さで上達する森川。番組ではそんな森川を「ワイルドスピード森川」と呼ぶ。
従来、バラエティー番組でこの手の挑戦をやる場合、苦労の末にようやく成功するというのがお約束の展開だが、森川の場合、ほぼどの挑戦でも、いわゆる「バラエティーの法定速度」を守らない速さで次々とお題をクリアしていくのだ。「天賦の才」というか、そのセンスの良さには毎回、唸らされるばかり。
いつになく苦戦した時も「できる。できる」と自分に言い聞かせ、疲労の跡が見え始めても「もう一回、もう一回」と挑戦し続ける姿に、こちらも拳を握りしめ、息を飲んで見入ってしまう。
毎回あまりのスピードでクリアしていく森川の姿に「ヤラセじゃないか」などと疑念の言葉を口にする一部の心ない視聴者もいるようだが、アジア大会での躍進をもって、森川が今まで見せてきた数々の奇跡が本物だったことが、改めて証明された形だ。
かつてお正月に放送されていた「新春かくし芸大会」(フジテレビ系)で大技を披露して「ミスターかくし芸」と呼ばれた堺正章の衣鉢を継ぐ存在として、森川を「ミスかくし芸」の異名で呼ぶこともあったが、かくし芸どころかメダル獲得のこの快挙に、心から拍手を送りたい。
なお、今回のスポーツスタッキングアジア大会での様子は、11月28日19時から「それって!?実際どうなの課 ゴールデン2時間SP」で放送されるとのこと。さらなる高みに到達した森川の、奇跡の集大成を見逃すな!
(堀江南)