むろん、原因はそれだけではなかったのだろう。が、なんと「そばの食べ方」をめぐり、芸能マスコミを騒がせることになったのが、王貞治氏の次女で当時スポーツキャスターだった王理恵と、その婚約者で朝青龍の主治医だったH医師との破局騒動だ。
コトの起こりは2007年12月。交際中だったH医師との「来年元日入籍」を発表し、2人揃ってハワイへ婚前旅行に出掛けた彼女が帰国後の12月25日、都内で単独記者会見を開く。なんと、結婚の無期限延期を発表したのである。
理恵は1995年、24歳の時に、当時勤務していた博報堂の2歳年上の先輩社員と結婚するも、2年半で破局。退社後にキャスターの仕事をしていた2001年11月には、5歳年上のテレビプロデューサーと再婚。しかし、この結婚も3年弱で終焉を迎えていた。理恵を知るスポーツ紙記者によれば、
「彼女は学生時代、ゴルフに打ち込み、その腕前はセミプロ級。強気な性格も三姉妹の中では最も『世界の王』に近く、恋愛に関してはかなり積極的だと聞いていましたからね。H氏との結婚は3度目になりますが、おそらくは彼女がリードしていたのではないでしょうか」
入籍直前の延期とは、2人にいったい何があったのか。会見で理恵は言った。
「帰国する機中で、旅行中に積み重なった『小さな疑問』が膨らみ、一緒に時を過ごしていなかったこと、相手をきちんと見ていなかったことに気付いたし、急な入籍・挙式の日程では、お世話になった方々への挨拶が不十分で失礼にあたるため、時間をかけたい」
彼女の言う「小さな疑問」とは何か。実はH氏がそばをすする音、だったのである。
さっそく芸能マスコミは「そばの食べ方をめぐり不協和音」とブチ上げたわけだが、タイミングがいいのか悪いのか、翌2008年1月29日、H医師が著書「朝青龍から笑顔が消えた本当の理由」(双葉社)出版にあたり、都内で記者会見に臨んだ。なんと、その会見でH氏が「そばを生試食する」とあって、100人を超える報道陣が集まったのだから…。
ところが出版社から送られてきたFAXには「そば生試食、緊急会見!」と謳われるも、どうも出版社とH氏の間で、意思疎通ができていなかったらしい。H氏は、
「音を立てずに食べる練習をしたけど、無理だった」
そう言うと、そば試食を頑なに拒否する。「では、食べている姿だけでも撮らせてほしい」と無茶ぶりするカメラマンに対しても、
「こういう姿を見て、理恵さんがいいと思ってくれるかどうか。肝心なのは、理恵さんにどう思って頂けるか」
そんなやり取りが続き、噛み合わない記者会見は実食がないままに終了。そんな騒動の中、2人の結婚話が進展するはずもなく、4月には理恵が会見で破局を報告。成田離婚ならぬ「成田破談」となったのである。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。