加えて、阿部監督にまとわりつく〝負のイメージ〟はいまだに拭い去れていない。かつての2軍監督時代、選手たちに罰走や懲罰ノックを命じていたことが発覚するなど「体罰」や「パワハラ」といった数々のマイナスワードが今もチラつく。
タイミングの悪いことに、楽天・安樂智大の一件もあり、とうの昔に沈静化していた阿部監督パワハラ疑惑も容赦なく蒸し返されてしまっているのが現状だ。
直近まで球団フロント業務にも携わり、内情に精通する別の巨人OBが明かす。
「今オフ、巨人はオリックスからFAとなった山﨑福也(31)の獲得に乗り出したものの結局、日本ハム移籍が決まって失敗に終わった。6球団の大争奪戦で、巨人は手を上げるのが遅かった感は否めない。実はそれ以上に、山﨑が最初から巨人は眼中になかったといいます。本人が周囲に『阿部さんって何かおっかない人っぽいし‥‥』と漏らしていたというんです」
今オフのFA市場には大物選手が少なくないが、巨人は「静観」というよりも相手から「スルー」されているというのが実情。阿部監督の存在がネックという本音は、他球団選手の中で山﨑に限ったことではないというのだ。
「球団内でも『阿部監督のイメージが、ここまで悪いとは‥‥』『原さんが辞めていなければ、今オフのFA戦線も違った結果になっていたのでは』などと嘆き節が響き渡っている。補強がうまく進まない現状に困り果てて、海外FA権行使でメジャー挑戦を目論む松井裕樹(28)について『何とか口説いてMLBを断念させ、ウチに移籍してもらえるようにならないものか』と、本気で提案するフロント関係者もいるほどです。しかも身内から『それこそ、交渉の場に阿部監督が出ていったら逆効果ではないのか』なんてオチまで付けられてしまう始末です」(別の球団OB)
さらには、契約上のオプトアウト権を行使して、中田翔(34)も退団する運びとなった。
「中田は阿部監督のヘッド時代からソリが合わなかったですからね。中田は日本ハム在籍時に自分もパワハラ問題から退団に至った経緯があり、阿部監督とイメージは被りますが、逆に似たもの同士で、磁石の同じ極のように反発し合うのでしょうか」(別の球団OB)
戦力補強どころか、戦力流出まで発生。そんな前途多難な苦境を憂いているのか、阿部監督は来春の宮崎キャンプで松井秀喜氏(49)の臨時コーチ就任を熱望している。しかし、ミスター招聘と同じく、付け焼き刃の話題作りのようにも見え‥‥。しかも当の松井氏からは冗談まじりとはいえ、「空港からホテルまでレッドカーペットを用意するなら。それが第一条件」と実現不可能な難題を要求され、遠回しに「NO」の回答を突きつけられている。
どこまでも〝トホホ〟な阿部巨人だが、果たして来季、2年連続Bクラスから抜け出せるだろうか。