12月12日深夜の「イワクラと吉住の番組」(テレビ朝日系)に、MISATO ANDOがゲスト出演した。彼女は今年6月に解散したガールズグループ「BiSH」のメンバーで、リンリンの名で活動。解散と同時に、現在の名前に変更している。
そんなMISATO ANDOがこの日、蛙亭イワクラと吉住、もうひとりのゲストであるエルフ荒川を相手に、とある娯楽の魅力を語ったのである。
吉住が「お好きなんですか」と驚きを隠さず質問すると、「はい。皆さん、見たことありますか」と聞き返すMISATO ANDO。首を横に振る3人。テレビを見ているこちらも、一緒になって首を振ってしまった。
それは一糸まとわぬ踊り子女性が妖しげなスポットライトを浴びて妖艶に舞う、興奮度抜群のアレだ。繁華街の場末やさびれた温泉街にひっそりと劇場があって、閑散とした客席に小汚いオッサンがチラホラ座ってるようなイメージを勝手に持っていたが、それは出演者たちも同じだったらしい。
荒川「大人の遊びというか、男性が行くイメージが私はありました」
イワクラ「なんかキャップ被ったおじさんが、いちばん前でこう(前のめりになって)見てるっていう感じ」
ただひとりだけ、賛同者はいた。
吉住「私は女の子の友達が行くの、ほんと好きで『めちゃくちゃ元気出る』って言ってて、ちょっと興味はありはして」
これに嬉々として説明を始めるMISATO ANDO。
「今は女性のお客さんがすごい増えていて。私もひとりで行きますし、通う女性を『スト女』というんですよ」
ツアー中も全国各地で近隣に劇場がないかを調べ、あると巡っていたというのだから、筋金入りだ。幼少期の頃からそうしたものへの興味が強かったという彼女は、大人になって出会った「奇抜な友人」と初めて遊びに行ったのが、浅草ロック座。それ以降、ハマッてしまったのだという。
「秘密のドアを開けたら、昭和の世界にタイムスリップできるんです」
とのことで、これはいわゆる昭和リバイバルブームの極北ともいえるのかもしれない。
番組では実際の浅草ロック座の舞台の様子がVTRで流れたが、予想に反して満席。演出も派手で、プロジェクションマッピングやLEDといった最新技術を導入し、舞台に彩りを添えているというのだから、驚いた。
チケット代は6000円ほどで、「女性割」や「カップル割」といった割引サービスを設けている劇場もあるとのこと。1日に4~5公演あり、チケットを購入すると当日は劇場の出入りが自由で、昔の映画館のように何度も見ることができるのだそう。
この後もその魅力を語るMISATO ANDOは、各劇場で買い集めたキーホルダーやストラップなどのグッズ、踊り子さんと一緒に撮影したポラロイド写真も披露した。
「へぇ」と言いながら思わず見入ってしまったが、この感覚、なんか記憶にあるなと思ったら、今はなき「タモリ倶楽部」でこの手の企画をやった時と同じだった。
そういえば、あいみょんが出演して「官能小説」や「春画」の魅力に迫った回は、当時かなり話題になったし、こちらも興味深く見させてもらった。今回の「イワクラと吉住の番組」にはどこか、あのDNAを感じた。
この収録の後日、MISATO ANDO、イワクラ、吉住の3人が実際に浅草ロック座へ行き、舞台を鑑賞。呆気に取られて口をあんぐりしているイワクラと、終始ニヤけて見入っている吉住だったが、見終わって感想を求められると、口を揃えて「めっちゃ良かった」と興奮気味に答えていた。
スタジオでのパートでMISATO ANDOは「いつかなくなっちゃう文化でもあるので」とも言っている。その日が来る前に、これは一度、行ってみるべし。
(堀江南)