「女芸人No.1決定戦 THE W 2023」で優勝し、第7代目クイーンとなった「紅しょうが」。この好結果によって、笑いの本拠地・大阪で久しく囁かれ続けていた「ある説」が立証された。「大阪NSC33期生の覇王ぶり」である。
NSCは吉本興業が運営するマルチタレント養成所。創設された1982年の1期生がダウンタウン、ハイヒールなどだったことから芸人の趣が強い。しかし、現在は総合的なエンターテイナーを募集、育成しており、学校は東京と大阪のみならず、北海道から沖縄まで構える。その大阪校33期生からは、メジャー賞レースの高実績保持者が多く出ているのだ。
紅しょうがは熊元プロレスが35期生だが、稲田美紀が33期生。現在クリスマスイブ(12月24日)決戦を前に盛り上がっている「M-1グランプリ2023」だが、今年念願の初決勝を決めたマユリカは、中谷と阪本ともに33期生だ。
一方、コントに目を向けると、「キングオブコント」(KOC)では15年にコロコロチキチキペッパーズ、22年にビスケットブラザーズが優勝しており、いずれも大阪の33期生。
コロチキのナダルは優勝後、「クズ芸人」にカテゴライズされることで仕事を増やしていき、20年には「日経エンタテインメント!」(日経BP社)調査の「1番嫌いなお笑い芸人」で2位にランクインした。だが今年は、大手企業からのCMオファーが続いて好感度が上がった。
ビスブラは20年に「第9回 ytv 漫才新人賞決定戦」、翌21年に「第51回NHK上方漫才コンテスト」で関西で2冠を達成。その翌22年、集大成を体現すべくKOCでコントの頂点に立った。まだコロチキほどの全国露出はないが、高い演技力にはダウンタウンの松本人志が舌を巻いた。
「KOCでは、コンビそろって33期生の男性ブランコが21年に準優勝しています。翌22年にはM-1の決勝戦に初進出を決めて、演技力の高さにプラスして着眼点も称賛されました。ニッポンの社長は辻が32期で、ケツは33期。2人はKOCで20年から今年まで4大会連続で決勝舞台に立っています」(お笑い評論家)
ピン芸人日本一を決める「R-1グランプリ」で二度準優勝のZAZYも黄金の大阪33期生。M-1、R-1からも覇者誕生でグランドスラムも夢ではない。
(北村ともこ)