12月13日に放送された「FNS歌謡祭」(フジテレビ系)に、ハローキティが登場した。同じくデビュー50周年のTHE ALFEEから「メリーアン」の替え歌で50周年を祝われたのだが、長年のファンからは「違和感がある」と指摘されるなど、大炎上中なのだ。
発端は約2カ月前。サンリオは1974年11月1日にキティちゃんグッズが販売開始したことにちなみ、2024年のハローキティ50周年アニバーサリーイヤーキャンペーンを、今年11月1日から開始すると発表した。
ところがサンリオは、アニバーサリーイヤーに合わせてYouTubeキティ公式チャンネルで公開されていた約400本の動画を、事前告知なく全て削除。さらにアニバーサリーイヤー初日の11月1日にはアニメや動画、サンリオピューロランドで33年間ハローキティ役を務めていた声優の林原めぐみがブログを更新し、林原と双子の妹ミミィ役の冨永みーな、キティのボーイフレンドであるダニエル役のたかはしごうが揃って10月末付で降板したことを明らかにした。
これまで50年のキティちゃんとの思い出を動画で振り返ろうと思っていたファンは、過去のアニメが突然、全消しされたことに大激怒。あまりに無慈悲な対応に、さすがにサンリオはファンに向けた正式発表をするだろうと様子を見ていたが、キティちゃん公式チャンネルでは、AIと思しき機械的な音声が流れるのみ。これがまた、ファンの心情を逆撫でした。12月15日現在、サンリオは動画削除と声優交代について、いまだ何の説明もしていない。
林原は「ポケットモンスター」の敵役ムサシや、「名探偵コナン」の灰原哀のほか、今夏の大ヒットドラマ「VIVANT」(TBS系)でも阿部寛の相棒ドラムの「翻訳アプリ」中の人を演じてきた。さらには歌手としても活動している。「エヴァンゲリオン」では綾波レイとして、エンディング曲を歌っていた。
ド派手衣装の高見沢俊彦の隣でギターを持ったキティちゃんが歌う、仰天の画に度肝を抜かれたものの、林原の声を聴き慣れた視聴者の心情はTHE ALFEEの3人が歌う「Oh、キティちゃん、突然、どこへ消えたのかー」という「メリーアン」の替え歌そのもの。ファンが50年間愛したキティちゃんは、もうどこにもいない。
(那須優子)