ハワイへのV旅行に参加していた阪神・佐藤輝明のアメリカ本土上陸に「足元を見つめた方がいい」と不安の声が漏れている。
佐藤はドジャースに移籍した大谷翔平をはじめ、多くのメジャーリーガーや他のプロ野球選手が近年活用し、成果を残している「ドライブライン」などのトレーニング指導を受けるため、チームを離れたという。
「ドライブライン」は全身にセンサーを装着して、実際にプレーしながらデータを採取。そのデータを分析し、練習方法に取り入れてパフォーマンス向上をサポートするもので、現在は米ワシントン州とアリゾナ州にその施設がある。
オフの有効活用は決して悪いことではない。在阪スポーツ紙遊軍記者は、
「今回はかねて体得を目指している、メジャー流スイングの参考にしたい意図があるようです」
と話すが、球団OBは次のような不安を漏らす。
「今回のことは自覚の表れかもしれないが、何か流行に感化されたような気がしてしかたがない。正しく学べばいいが、間違って理解する可能性もある。せっかくシーズンの終盤になっていい感じのスイングをしていたのに、ブチ壊しになっては困る」
現在のメジャーリーグはゴロを打つのではなく、フライボールを打ち上げるようなスイングをする「フライボール革命」が主流を占めている。今季、日本人初の本塁打王に輝いた大谷のスイングがまさにそれだろう。
確かに阪神入団以降、本塁打数やその飛距離にこだわり続けている佐藤にとっては理想的なスイングかもしれないが、危険と裏腹だ。前出の球団OBも、
「昨年も今年も本塁打と飛距離にこだわりすぎるあまり、どんな球も全力で打ちにいってフォームを崩す時期があった。彼は当たれば飛ぶのだから、今は無理にメジャー流のスイングなど身につける必要はない」
プロ3年目の今季は打率2割6分3厘、チームトップの24本塁打、92打点をマークし、覚醒を予感させた。それだけに、メジャーにかぶれるのは、百害あって一利なしかもしれないのだ。
(阿部勝彦)