店で高額な料金を使わせて売掛とさせ、返済のために女性客を性サービス店で働かせる、悪質ホスト問題。こうした問題を受けて12月5日、区や歌舞伎町のホストクラブ経営者らによる連絡会が開かれた。そこで4月以降に段階的に売掛をなくす営業を目指す方針を採用し、自主規制などについての協議を継続的に行うことを決定した。
一方、消費者庁は「消費者契約法の条件を満たせば、恋愛感情を利用して結ばれた契約は取り消すことができる」との見解を示した周知文を公表。消費者契約法では、客の好意や感情を不当に利用した契約(デート商法)について、第4条第3項第6号で取消権を規定している。消費者庁は文書内で「ホストクラブなどにおける飲食などの契約も本法上の消費者契約に該当する可能性がある」と指摘した。
売掛や色恋営業の禁止で、これまでの営業体制とは大きく変わる可能性が高まってきたホストクラブ。現在の歌舞伎町はどうなっているのか。12月中旬、例年であれば忘年会で盛り上がっている時期に足を運んでみた。案内所スタッフが語る。
「ホストクラブの外販が禁止になったため、新規客が来なくてどこもヒマな状態です。現在、ホストクラブに新規で行きたい女性客は、無料案内所を通すしかありません。ところが案内所に登録しているのは優良店のみなので、数が少ない。ウチの案内所でも、ホストクラブは数軒しか案内できません」
ホストクラブのキャッチは2013年に「客引き禁止条例」が施行されて以降、禁止されている。しかし歌舞伎町では「外販」として知られるホストクラブの専門案内人が街中に立ち、法的にはグレーゾーンとされながらも案内を受けることができた。
現在、歌舞伎町のホストクラブは300軒以上。
「店は掃いて捨てるほどあるが、外販が禁止になったため、客がほとんど回転していない状態」(前出・案内所スタッフ)
12月13日には、恋愛感情を利用して2人の男性から約1億5000万円を騙し取り、詐欺罪などに問われている「頂き女子りりちゃん」が指名していたホストが逮捕された。これにより、このホストクラブが廃業したと、Xで発表されている。
歌舞伎町は今、過去までにないほどの猛攻撃を受けている。300店舗以上あるホストクラブは、年明けには何軒が生き残っているのだろうか。