12月18日に放送された「CDTVライブ!ライブ!クリスマス4時間半スペシャル」(TBS系)の年間ランキング、そして同局が12月30日に放送する「第65回 輝く!日本レコード大賞」の受賞曲一覧がおかしなことになっている。同じテレビ局の歌番組特番でありながら、「CDTV」のヒット曲年間トップ10に入った楽曲が、ひとつもレコード大賞の優秀作品賞に入っていないのだ。さるレーベルの幹部が首を傾げる。
「両番組とも今年のヒット曲を紹介する特番なのに、全く異なる曲をヒットソングとして挙げていますね。特に扱いがおかしいのが、YOASOBIの『アイドル』です。これはBillboard JAPAN総合ソング・チャート『JAPAN Hot 100』では、7週連続で首位を獲得した。5月26日に英語版がリリースされると、6月10日付の米ビルボード・グローバル・チャート『Global Excl. U.S.』でもトップの座に就きました。同チャートで日本語楽曲が首位を獲得したのは史上初の快挙であり、今年最大のヒット曲なのは音楽業界の誰もが認めるところでしょう。ところがレコード大賞の優秀作品賞からは漏れ、CDTV特番放送翌日に、TBSはレコ大『特別国際音楽賞』受賞と番組出演を発表しました」
しかも今年のヒット曲は「アイドル」をはじめ、人気アニメやテレビ番組、イベントのタイアップソングから多々生まれたはずが、ここにも齟齬が生じていると、このレーベル幹部は指摘するのだ。
「日本テレビやフジテレビなど、ライバル局の人気アニメや番組タイアップ曲が『CDTV』のトップ10に入り、TBSで放送中のアニメ『呪術廻戦』のテーマソングはトップ10圏外。昨年のレコード大賞特別賞のKing Gnuが歌う同アニメのオープニング曲『SPECIALZ』も今年9月にシングル売り上げ1位になっているのに、『CDTV』トップ10とレコ大優秀賞のどちらにも漏れている。一方で今年メンバーが脱退したKing&Princeら旧ジャニーズ事務所のグループが『CDTV』トップ10入りし、韓流グループはレコ大優秀賞に選出されるという、シングル売り上げ無視の『おかしなバランスゲーム』になっている。TBSはいつまで時代錯誤の忖度を続けるつもりなんでしょうか」
そんな韓流だらけのレコード大賞を見るより、谷村新司や坂本龍一、高橋幸宏、KAN、もんたよしのり、大橋純子、櫻井敦司、X JAPANのHEATH…今年亡くなった偉大なミュージシャン達のありし日の歌声をストリーミングで聴いた方が、2023年の終わりに相応しくはないか。
(那須優子)