本サイトで12月14日に公開した記事通り、大谷翔平は「山本由伸とのWドジャース入り」を思い描き、それが実現した。12年3億2500万ドル(約460億円)でドジャースと合意したと、MLB公式サイトなど、複数の米メディアが報じたのだ。
現地時間の12月13日、ポスティング制度を利用してメジャー移籍を目指したオリックスの山本由伸とドジャースの直接交渉の場に、大谷はムーキー・ベッツ、フレディ・フリーマン、ウィル・スミスのスター軍団とともに同席。大谷は翌日のドジャース入団会見で「勝つことが今の僕にとっていちばん大事なこと」と話し、悲願のワールドシリーズ優勝への意欲を語っていたが、その勝利への方程式には山本の加入が欠かせなかった。
ドジャースは今季162試合ある公式戦で、昨年に続き100勝以上を挙げたが、ポストシーズンでは投手陣が被弾しでナ・リーグ地区シリーズ3連敗。あえなくワールドシリーズ進出を逃した。
レジェンド左腕クレイトン・カーショーは11月、左肩手術を受けたと公表し、復帰は早くても2024年の夏以降になるという。エースのウォーカー・ビューラーも大谷と同じ2度目のトミー・ジョン手術後で、開幕からの先発ローテーション入りは絶望的だ。
ドジャース入団に際しては「(ワールドシリーズ)優勝に欠かせなかった選手と言われる存在になりたい」と目標を語っていた大谷だが、手術後のリハビリ中のため、来季はDHでの出場になる。ドジャース最大のウィークポイントである先発ローテーションに入れない歯痒さを、大谷は人一倍感じていることだろう。
そこでワールドシリーズ優勝を目指して移籍した大谷が「ぜいたく税」回避のために提案した「年俸986億円の後払い」についても「その分を投手補強に回して」「山本獲りに使って」と球団に要望したことに疑念の余地はない。
今年3月、WBC準決勝メキシコ戦前に大谷は「由伸が連れて行ってほしいという感じだったので」と、山本の熱烈ラブコールで宮城大弥(オリックス)、村上宗隆(ヤクルト)、ヌートバー(カージナルス)らと食事を楽しんだ。決勝のアメリカ戦前に、大谷はチームメイトにこう語りかけた。
「憧れるのをやめましょう。ファーストにゴールドシュミットがいたり、センター見たらマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたりとか…。今日1日だけは、彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう。さぁ、行こう!!!」
日本代表を鼓舞したあの頃から、大谷と山本には「憧れの存在を超えてWBCでもワールドシリーズでも『優勝』する」構想があったのかもしれない。
花巻空港と神戸空港からは1回のトランジットでロサンゼルス入りが可能。関西国際空港からはロス直行便も出ている。日本人ファンからすれば、アクセスのいいロサンゼルス・ドジャースへのW入団は大歓迎だ。
(那須優子)