JRAリーディングの騎手部門は、C・ルメール、調教師部門は杉山晴紀調教師にほぼ決まった。しかし、種牡馬部門は1位ロードカナロアと2位ドゥラメンテの差が1億1000万円ほどなので、阪神カップ(GⅡ=12月23日)と有馬記念(GⅠ=同24日)の結果次第となる。いずれにせよリーディングサイアーは2012年以来、11年連続してディープインパクトだったが、今年は変わるのだ。その意味でも、この首位争いは見ものとなる。
土曜の阪神カップは、ロードカナロア産駒が2頭出走予定なのに対し、ドゥラメンテ産駒の出走はない。ロードカナロアとしてはここで勝って差をつけておきたいところだが、出走馬の力量からして1着賞金6700万円を獲得するのは難しそうだ。そういうわけで、リーディングサイアーとなるには有馬記念で良績を収める必要がある。
その有馬記念は、ドゥラメンテ産駒がスターズオンアース、タイトルホルダーの2頭出走予定なのに対し、ロードカナロアはホウオウエミーズの1頭だけ。
これらの馬名を見る限り、ドゥラメンテの方が有利か。なにしろ2頭ともGⅠ馬の上に、臨戦態勢も悪くない。中山のコースでも結果を出している。持てる力を発揮できれば上位争いは十分可能だろう。どちらかが勝てば6億円獲得となり、リーディング確定となる。2着でも2億円、3着でも1億3000万の賞金だから、上位に入ればチャンス大。
一方、ホウオウエミーズは福島記念(GⅢ)を勝って重賞ウィナーとなったが、ここのメンバーに入ると格下感は否めない。ドゥラエレーデが出走を回避したことで出走が叶ったという運の強さを持ってはいるが、掲示板に載ることができれば上出来だろう。
というわけで、ドゥラメンテがリーディングサイアーの座につく公算大と見る。ドゥラメンテは2021年の夏に亡くなっており、今年の1歳馬が最終クロップ。まだ再来年ぐらいまではリーディングのチャンスはあるが、ここで決めておきたいところだろう。
なお、タイトルホルダーはこのレースを最後に引退し、種牡馬入りする。今後はドゥラメンテの後継種牡馬として役目を果たしていく。優秀な繁殖牝馬を受け入れるためにも、好走したいところ。
(競馬ライター・兜志郎)