自民党が政治資金パーティー問題で激震する中、小泉純一郎元首相や山崎拓元副総裁ら長老が蠢いている。小泉氏らは12月19日夜、東京・銀座の日本料理店で会合を開き、「解党的な出直しが必要」との認識で一致した。
これについて、かつて小泉氏と同じ清和会(現・安倍派)に所属した加藤六月元農水相の長女で、元内閣官房参与の加藤康子氏が痛烈に批判した。加藤氏は産経ニュースのインタビューで、
「小泉氏はご存じないのか。安倍派に連なる三塚派に所属した当時、今よりもっと派手にパーティー券を販売した実態や(販売ノルマ超過分を議員にキックバックした)問題視される仕組みが存在したことを」
小泉氏は「一匹狼」という印象が強いが、清和会に所属し、会長まで務めた「派閥人間」でもある。六月氏の娘としてパーティー券が大量に販売されていた状況を見てきた加藤氏としてみれば、何を綺麗ごとを言っているのか、という思いがあるようだ。
会合には、かつて郵政民営化で小泉氏と対立した亀井静香元政調会長も参加し、終了後には記者団に、
「今の政界はぐしゃぐしゃになっている。政界再編は起きる。間違いなく。こんな状況が続くわけない」
と語った。山崎氏や亀井氏がテレビカメラの前で「内閣支持率の低迷が続くようであれば、岸田文雄首相のもとで次の衆院選を戦うのは難しい、との認識で一致した」などと得意げに語っている様子についても加藤氏は、痛烈に斬り捨てる。
「権力欲渦巻く政界で他人のピンチは自分のチャンスでもある。そのはしたない状況を見せつけられている」
義弟である加藤勝信元官房長官も含め、歯に衣着せぬ発言をする政治家がほとんどいなくなった今、政治家ではないものの、六月氏の娘として政界の裏側を知り尽くしている加藤氏は、貴重な存在といえるだろう。
(喜多長夫/政治ジャーナリスト)