世界を代表するドリブラーになった日本代表の三笘薫と久保建英。2人は同じドリブラーだが、ドリブルの質は違う。その差を元日本代表で天才ドリブラーと呼ばれた前園真聖氏が分析した。
田中マルクス闘莉王氏のYouTubeチャンネルに出演した前園氏は、三笘のドリブルをこう解説した。
「スピードがあるようには見えないんですが、ディフェンスは追いつけない。また止まった状態から初速を『100』に持っていく、しなやかさのバネがある。少しネイマール(ブラジル代表)に似ている。ボールの置き方や運び方、ドリブルのリズムや緩急をつけられる選手は世界的に見てもいない」
しかし、欧州移籍時は少し心配していたという。理由は、
「フロンターレで活躍している時から見ていたけれど、活躍できるのはJリーグの中だからで、世界ではどうなのかなと実は思っていた。フィジカル的にすごく強いわけでないし、スピードがあるタイプでもないので、海外のトップリーグでは潰されてしまうのではないかと。三笘は最初は少しとまどっていた感じがあった」
しかし今の三笘は何かやってくれそうな、見ていて面白い選手だと評価した。
一方の久保については、こう分析している。
「ドリブルとボールタッチは細かくてうまいものをもっている。最近はフィジカルが強くなった。慣れたというか、どうしたら相手とのフィジカルコンタクトを避けることができるのか、タイミングを覚えてきた」
久保はレアル・ソシエダに移籍した昨シーズンから大活躍しているが、その理由はこんなところにあると前園氏は言う。
「チームが久保選手に合っている。久保はこれまでマジョルカを含めて降格するようなチームにいたので、守備の負担が大きく、彼のよさがなかなか出なかった。レアル・ソシエダでは右サイドだけでなく、シャドー的なポジションでよさが引き出された。今は自信を持ってプレーできている」
日本代表では右サイドでもトップ下でもファーストチョイスになっていないのが残念だと前園氏。右の久保と左の三笘、両雄並び立つことになれば、日本代表にとって大きな武器になるはずだ。
(鈴木誠)