やはりノーダメージでは済まないようだ。2023年末に性加害スキャンダルを報じられた、ダウンタウンの松本人志である。
ダウンタウンは1月4日放送の「ダウンタウンDXスペシャル」(日本テレビ系)にコンビ揃って出演したが、この2時間スペシャルで流れるCMに、異変が起きたというのだ。テレビ誌記者が言う。
「この日は『芸能界2024最強運ランキング』と題して、4つの血液型と12星座の組み合わせによって、今年の運勢1位から48位を決めるというものでした。番組開始直後にスタジオセットの中の、ロゴなどの文字が映り込んでいる部分にボカシが入ったのです。通常、ここで番組提供のスポンサー名が紹介されるのですが、紹介ナレーションはなく、スポンサー名も映されませんでした。単に背景がボカされるだけだったので、非常に違和感を覚えましたね」
いったい何が起きたのか。広告代理店関係者が解説する。
「性加害問題を受けて、番組スポンサーが急きょ、降板したのでは。まだ解決していない松本の番組に自社の広告を出すのはマズい、と考えたのでしょう。番組の編集は、提供スポンサーの紹介が行われる部分でボカシを入れるわけですが、ここをボカシのない元の状態に戻して納品する時間的余裕がなかったのか…。同様のボカシは番組終了直前にも入っていました」
番組1本目のCMは、ACジャパンのもの。これはスポンサーが出稿を自粛した時に放送されることが多く、視聴者からは「松ちゃんの性加害報道、やはりタダでは済まないようだね」といった声が上がっている。
「ACジャパンのCMは番組中、複数回放送されました。松本の出演番組では、年末の12月29日の『人志松本の酒のツマミになる話 2時間スペシャルin福岡』(フジテレビ系)でスポンサーの一部が撤退し、やはりACジャパンのCMが流されていました。松本も吉本興業も性加害を全面否定していますが、昨年は旧ジャニーズにしろ宝塚歌劇団にしろ、性加害やイジメ・パワハラ問題への国民の目は厳しくなっている。松本のテレビ出演をめぐっては今後、より厳しい視線を浴びることになると思います」(前出・広告代理店関係者)
旧ジャニーズや宝塚の問題を振り返ると、加害者が所属する組織があやふやな態度をとり続けた結果、事態はより悪化してしまったこと。スキャンダル報道に全面対決の意思を示した吉本興業は、振り上げたこぶしをどうするのか。事態を悪化させるか沈静化させるのかの分岐点を、やがて迎えることだろう。
(石見剣)