毒を食らわば皿まで、か。ソフトバンクが批判覚悟で、本格的にトレバー・バウアーの獲得に乗り出す可能性が出てきた。スポーツ紙遊軍記者が現状を説明する。
「山川穂高をFAで獲得し、チームの功労者である和田毅の人的補償騒動で評判がガタ落ちですが、今度はなりふり構わずバウアー獲りに本腰を入れようとしています。メジャーリーグ復帰が難航しているバウアーは最近、米兵の釈放をめぐって舌禍騒動を起こしたばかりで、今や日本のファンにそっぽを向かれている。そのため、日本の球団が獲得に二の足を踏む可能性は高いわけですが、ソフトバンクは背に腹は代えられない状況にあります」
今季の先発投手陣は昨シーズン10勝5敗、防御率2.31の有原航平を筆頭に、大関友久、スチュワート・ジュニア、モイネロ、そして和田の5本柱が有力だが、いかにも心もとない。エース・山本由伸がポスティングでメジャー移籍しながら盤石の先発陣を誇る、リーグ王者のオリックスと比べると、やはり見劣りしてしまう。フル回転可能な先発投手の補強は、現段階になっても最優先事項だ。前出の遊軍記者も、
「12球団一の金満球団ですからね。年俸10億円超えの複数年契約も問題ないでしょう」
サイ・ヤング賞に輝くなど実力は折り紙つきながら、数多くのトラブルを引き起こしてきたバウアーだけに、加入すれば再び騒動が勃発する可能性は十分にある。
「ソフトバンクには力のある若手選手が多いですからね。ファンはオリックスや阪神のように、変な補強に頼らず若手を育てて強いチームになってほしいと思っています。山川に続いてバウアーまで獲得しては、そんなファンの思いに逆行する。バウアーの言動次第では、批判の矛先がまた王貞治会長に向けられることにもなりますよ」(福岡の放送関係者)
12球団で唯一、4軍まであるだけに、金の卵はザクザクとグラウンドに埋まっていると思うが…。
(阿部勝彦)