6月に負けなしの4連勝と大活躍し、DeNAの首位争いに貢献しているトレバー・バウアーの「争奪戦」が、早くも始まっている。スポーツ紙遊軍記者が明かす。
「バウアーは1年契約。現在のような投球を継続してできるようなら、どの球団も欲しいでしょうからね。マネーゲームになるのは必至です。巨人やソフトバンク、楽天などは、すでに獲得調査を進めているといいます」
DeNAが今季、バウアーに支払う年俸は、基本給300万ドル(約4億3000万円)プラス出来高100万ドル(約1億4300万円)といわれている。だがメジャーリーグで、投手として最高峰のタイトルであるサイ・ヤング(CY)賞に輝いた実績がありながら、日本球界最高年俸のロベルト・オスナ(ソフトバンク)の推定6億6500万円を下回っている。
これには理由がある。バウアーが今季の活動の場に日本球界を選んだのは、性的暴行事件を起こしたとされる一件で、メジャーリーグ各球団が獲得に二の足を踏んだためだ。アメリカでプレーする球団がないため、日本球界で半ば調整を兼ねながらプレーする。そして存在感をアピールし、米球界復帰をもくろんでいたからだ。
さらにバウアーは今季、ドジャースと結んだ3年契約の最終年であり、メジャー年俸の約2250万ドル(約32億円)は、そのドジャースが負担している。だからこそ、DeNAはCY賞男を破格の安さで手に入れることができたのだ。
ところが最近になって、別の女性から性的暴行事件の加害者として訴えられた。事実関係は明らかになっていないが、これで来季のメジャー復帰が難しくなったのは間違いない。
そのため、来季も日本でプレーする道を選択することが濃厚だが、もちろんこのまま成績を伸ばせば、年俸は跳ね上がるだろう。メジャーリーグを取材するスポーツライターが言う。
「バウアーの代理人はレイチェル・ルーバーという女性です。この人物とのパイプを持っている日本の球団はないと聞きます。そうなれば、完全にビジネスの話になる。これまでの実績を考えれば、年俸10億円がスタートラインでしょう」
最低10億円はあまり高額だが、これで優勝が買えれば安いもの。どこまで金額が吊り上がるのか…。
(阿部勝彦)