野球日本代表(侍ジャパン)の井端弘和監督の暴走気味のコメントに、ソフトバンク関係者が顔を引きつらせている。
井端監督は2月6日にソフトバンクの春季キャンプ地である宮崎を訪れ、
「シーズンで活躍すれば(侍に)入ってこられる選手と思っている」
と、山川穂高の侍復帰を示唆するような発言をしたからだ。ソフトバンクを取材するベテラン記者は、次のように話す。
「王貞治会長にでさえ矛先が向いた山川獲得騒動が、やっと鎮静化したばかりですからね。今はチームとしてはソッとしておいてほしい、というのが本音です。侍復帰などとブチ上げられては、例のスキャンダル話が蒸し返される可能性があります」
今後、大きな国際大会に大谷翔平や吉田正尚ら現役メジャーリーガーの侍合流が可能だとしても、彼らはいずれも左打者だ。打線に厚みを増すためには、3回の本塁打王に輝き、通算218本塁打を記録している右の長距離砲・山川の存在は、巨人の岡本和真とともに重宝する。井端監督が山川にラブコールを送りたくなる気持ちはわかるが、やはり時期尚早だろう。前出のベテラン記者も、
「今季、活躍してみそぎを済ませれば、風向きが多少は変わると思います。そこまでは余計な話題を避けたいでしょう」
と、チーム事情を察するのだが…。
フリー打撃で特大の柵越え連発を見せつけられたこともあり、井端監督はリップサービスの意味もあっただろう。だが現在も球団は、山川の取材対応には細心の注意を払っている。井端発言で山川が調子に乗り、不要な言動が目立つことになれば、もとの木阿弥。井端監督もとんだ罪作りな発言をしたものだ。
(阿部勝彦)