あの「江夏の21球」は球界屈指の武勇伝だが、今、球界でクローズアップされているのが「山川穂高の17日」だ。
西武ライオンズの山川穂高は2021年11月に東京都港区のホテルで知人女性への性的暴行に及んだ強制性行等の疑いで5月23日、警視庁に書類送検された。
今後、起訴されるか不起訴に終わるのかは分からない。だが、西武はそれに先駆けて「総合的に判断してコンディション的に抹消」として、5月12日に出場選手登録を抹消した。だが、現在も親会社の西武ホールディングスや球団への苦情は途絶えておらず、事実上の「無期限謹慎」と言ってもいい処分だ。
そんな状況下、日本プロ野球機構(NPB)は5月31日、6月中にFA権取得可能な選手名を公表した。出場選手登録(1軍登録)145日を1年として換算し、規定の年数を経過すれば権利を取得できる。山川のように2007年以降のドラフトで入団した大学、社会人出身選手は、累計7年(経過1015日)で国内移籍のFA権を得る。山川は残り17日で、その国内FA権の取得可能な選手に含まれているのだ。スポーツ紙遊軍記者が言う。
「山川は今季中に17日間の出場選手登録をされれば、どこのチームにも移籍できる。獲得に二の足を踏むチームは多いでしょうが、たとえ不起訴でもスキャンダルを嫌う西武が解雇するようなら、買い叩けますからね。いつ出場選手登録されるのか。選手のスキャンダルに寛容な人気球団が注目しています」
契約年数や出来高払い、2年目以降の年俸上昇に制限はない。一方で、通常の減額制限を超えて、無制限に下げることもできる。山川の今季推定年俸は2億7000万円だが、場合によっては1軍最低年俸の1600万円、あるいは支配下選手の最低年俸420万円でも獲得できることになる。
「まぁ420万円でも所属する球団があれば、その後に稼げるチャンスはありますからね。山川は藁にもすがるんじゃないですか」(前出・遊軍記者)
たかが17日だが、されど17日。下半身スキャンダル男にはいずれにしても、長い17日を過ごすことになる。
(阿部勝彦)