毎週、明け3歳馬による争いが繰り広げられている中、2月11日は東京競馬場で共同通信杯がメインとして行われる。
ここで勝ち負けして皐月賞を制した馬は少なくない。勝ち馬ではゴールドシップ、イスラボニータ、ディーマジェスティ、エフフォーリア、2着馬はドゥラメンテ、ジオグリフなど、錚々たる顔ぶれが名を連ねており、ファンとしては目の離せない重要な一戦と言っていいだろう。
毎年、質の高いメンバーが集うだけあって、そう大きく荒れることはない。
03年に馬単が導入されて以降、これまでの21年間、その馬単による万馬券は4回(馬連は0回)。この間1番人気馬は4勝(2着6回)、2番人気馬は3勝(2着3回)。1、2番人気馬によるワンツー決着は3回。決してガチガチに堅いわけではないが、人気サイドで収まることが多い。
さて、今年はどうだろう。最有力候補とみられるのは、ジャンタルマンタルだ。新馬―デイリー杯2歳S―朝日杯FSと、ここまで土つかずの3連勝。どのレースも強い内容で、負ける要素は少ない。まともならここも、と言いたくなるが、すでにクラシックの出走権を得ていることを思えば、今回はおつりを残して、少々余裕残しの仕上がり状態で出走してくるのではないだろうか。もしそうであれば、他馬がつけいるスキは十分ある。
その朝日杯FSで2着したエコロヴァルツは、逆転の可能性を大いに秘めている。というのも、朝日杯FSは4カ月ぶりの実戦で体に余裕があった(前走比14キロ増の体重)。おまけに出遅れて最後方からの追走となったが、それでもコンマ1秒差まで迫ったのは力が確かだからこそ。チャンスは大いにある。
他にもエンヤラヴフェイス、ショーマンフリートなども争覇圏内とみてよく、下馬評どおりの結果になるとは思えない。波乱含みのレースとみて、当方が最も期待を寄せたいのは、ミスタージーティー。均斉の取れた好馬体と血統(母系)のよさから、かなりの素質馬とみて取れるからだ。
前走のホープフルSは5着に敗れたものの、負けて強しの好内容で、いい印象を与えてくれた。大外枠で道中はスムーズさを欠き、直線は内に入って追い上げたが、前の馬が壁に。ということで、しまいは脚を余す格好となったが、それでいて勝ち馬とはコンマ5秒差。まともだったら、と惜しまれるレースだった。
しかも、新馬を勝ち上がったばかりで、まだ2戦目だったことを思うと、この走りは高く評価していい。
この中間は順調そのもの。1週前の追い切りもリズミカルで、厩舎関係者は「落ち着きが出て実にいい雰囲気。このぶんなら前走以上の状態で臨めそうだ」と、口をそろえて調子のよさをアピールする。
近親、一族にマジシャン(愛2000ギニー、BCターフ)、ヘンリーザナヴィゲーター(英・愛2000ギニーなどGⅠ4勝)がいる良血。広い東京なら一気の差し脚が見られるはずで、狙い撃ちといきたい。
2月18日に行われるフェブラリーSは、根岸Sを制覇して勢いに乗るエンペラーワケアに期待だ。
曾祖母はGⅠ4勝馬で血統的背景も文句なく、マイルまでなら距離の不安はない。今後のダート界のスター候補と言っていい。