これまでほとんど番組を打ち切りにせず、「無改編」を売りにしてきた日本テレビが今春、積極的な改編を行うという。そのひとつが土曜夜の改革だ。19年半も続いた「世界一受けたい授業」、それに続く「1億3000万人のSHOWチャンネル」の2番組に大ナタが振るわれ、いずれも3月末に終了する。放送関係者が語る。
「土曜20時に放送されてきた『世界一受けたい授業』の後枠は、4月から有働由美子MCの音楽番組となり、土曜21時はドラマ枠として再スタート。この後の土曜22時のドラマ枠との『2階建て』となります。フジテレビが月曜21時と22時を連ドラ枠にして、一定の成果を上げている現状に倣ったものと思われます」
こうした改革断行の裏にはテレビ朝日の猛追が絡んでいるのだが、次に打ち切られる危険性が高い番組がいくつかあるという。日本テレビ関係者が明かす。
「まずは『行列のできる相談所』でしょう。2年前、ミュージカル俳優・井上芳雄を新MCのひとりとして加入させ、フットボールアワー後藤輝基、東野幸治との3交代制にしたものの、今ひとつ活性化していない。しかも滝沢カレン、フワちゃんのレギュラー陣もほとんど機能していません。内容も毎回、宿かグルメを紹介する、単なる情報番組となっています」
「おしゃれクリップ」も、なかなか成果が上がらない。前番組「おしゃれイズム」のMCはくりぃむしちゅー上田晋也だったが…。
「『おしゃれクリップ』のMCは山崎育三郎と井桁弘恵。山崎は上田のようにトークを笑いで包み込むわけでもなく、台本に沿っているだけで、特段の面白味は感じられません。山崎がきちんと機能していれば、相方の井桁はリアクションだけでいいのですが、彼女のMC力がなかなか成長しないので、全体的な満足感が足りない。毎回、構成フォーマットがバラバラで、決して見やすいとは言えませんし」(前出・日本テレビ関係者)
このほか、「嗚呼!!みんなの動物園」も挙げられている。日本テレビ関係者が続ける。
「もともとの番組は、志村けんさん司会の『天才!志村どうぶつ園』でした。志村さんが他界した後、『I LOVE みんなのどうぶつ園』に改題され、サンシャイン池崎による保護猫飼育などが放送されましたが、2022年4月から現在のタイトルに落ち着いた。当初の企画では、動物好きな人を『ガチ恋さん』と呼んで「月曜から夜ふかし」のような素人イジリをしていました。しかし、それが振るわないことから、再びサンシャイン池崎を再登板させるなど、迷走しています」
好調のように見える日本テレビだが、「不良債権」はあちこちに埋もれている。
(羽田林蔵)