「あんだけ代打で成功率が(高いのは)…何の決め事があるんだろう」
前巨人打撃チーフコーチ・大久保博元氏の質問が飛ぶ。それに対する答えはこうだ。
「とにかく初球からいこうと思ってます。ファウルでもいいかな、ぐらいの気持ちで、見逃してストライク取られるのがすごい嫌で。何もせずにツーストライク追い込まれるのがいちばん嫌だったんで、それだけは絶対避けようと思って」
大久保氏のYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉で展開されたのは、大久保氏とヤクルト・川端慎吾とのこうしたやり取りだ。
大久保氏はヤクルトのキャンプ地を訪れ、代打の切り札にインタビューすると、その心構えが語られたのだった。
川端は今シーズンで18年目を迎える大ベテラン。2015年には首位打者と最多安打のタイトルを獲得し、真中満監督のもと、14年ぶりのリーグ優勝に貢献した。
近年は代打要員として試合に臨む機会が増え、2021年には日本記録となる真中氏の31安打に次ぐ、代打でのシーズン30安打を放ち、打率3割7分2厘、出塁率4割1分9厘という高い数字をマークした。
話を動画に戻そう。アグレッシブな性格が功を奏したのであろう川端に、大久保氏がこんな話を加えるのだ。
「(コーチ時代)俺が選手に伝えたのは、ゴルフでプロも2回連続OBってあるわけ。アマもあるじゃない。でも3回って、アマもあんまりないの、3球連続って。ってことは、振ればアジャストできてくるって。ツーストライク振らなきゃ、プロでもOB打つぞって、振った方がいいって」
川端は大久保氏の言葉に、こう得心の表情で頷いた。
「そうですね。そういわれれば、そうですね」
(所ひで/ユーチューブライター)