2月初旬から下旬にかけて、プロ野球の春季キャンプが行われている沖縄。日中は練習に明け暮れる選手たちが楽しみにしていることに、食事と夜の街で遊ぶことがある。沖縄にはキャバクラから特殊浴場まで、様々に欲望を満たす店があるが、近年、特殊浴場の店舗の老朽化が問題視されている。
「風営法によって改装工事ができない決まりがあるんです」
そう言って肩を落とすのは、那覇市内の特殊浴場に勤務する男性従業員だ。続けて言うには、
「リフォームはできるけれど、全面改修は新築としてみなされるのでできません。さらに条例によって、学校や病院の近くは保護対象施設による制限地域が設けられており、新規出店ができない。古い建物はそのまま使い続けるしかなく、老朽化した性サービス店は潰れていく一方です」
ひと昔前までは真栄原社交街などの置屋街などもあり、男の欲望を満たす街として知られていた。それが今ではすっかり身を潜めてしまった。これに追い討ちをかけているのが、女性キャストの人手不足だ。先の従業員がさらに明かす。
「職業安定法の取り締まりが厳しくなり、スカウトマンが女性スタッフを紹介することができなくなっているからですよ。数年前まではこの時期になると、キャンプで多くのプロ野球選手が訪れるため、稼ぎ時だとして、都内からスカウトマンが女の子を入店させていたんです。連れてこられるのは大体、ホストに売掛がある子ですね。最近はそういった勧誘行為に警察がうるさくなってきているため、自ら働きたい女性以外は雇えない。地元の子はまず働きたがらないし、県外からわざわざ来る子も少ないんですよ」
野球選手も遊ぶ場所が減っており、さぞかし落ち込んでいることだろう。