「だいたいね、32試合連続ヒットを僕が持ってるっていうこと自体、おかしく思うでしょ。僕はあの記録を作った時に、この記録を破るのは左バッターだと思ってた」
元阪急ブレーブスの主砲・長池徳二氏は、野球解説者・高橋慶彦氏のYouTubeチャンネル〈よしひこチャンネル〉で、こう振り返った。
「連続試合安打ランキング」は1971年当時、元阪急・野口二郎氏の31試合を25年ぶりに上回り、32試合のプロ野球新記録を打ち立てた長池氏がトップ。ところがその8年後の1979年に、広島時代の高橋氏が33試合へと記録を伸ばし、歴代1位に躍り出る。高橋氏は言わずと知れたスイッチヒッターだが、長池氏が言うには、
「イチローとかいろんな選手が…。取るんだったら張本(勲)さんだな(と予想したが)。結局、僕の予想通り、左でも打てるそういう選手が(新記録を)作った」
連続安打記録でトップ10入りしている選手を見ると…。野口氏と並ぶ31試合が秋山翔吾(西武)、30試合は張本勲(巨人)、福本豊(阪急)、マット・マートン(阪神)、近本光司(阪神)。29試合はグレン・ブラッグス(横浜)で、28試合のトニー・バナザード(南海)、桧山進次郎(阪神)へと続く。
錚々たる選手が名を連ねるが、特筆すべきは、長池氏だけが本塁打王を獲得していることだろう。本塁打王と打点王に各3回輝いたが、32試合連続安打を記録した1971年には40本塁打を記録している。長池氏が続ける。
「とある僕の知り合いの人が『長池さん、もう1試合、33にしとけば永久に抜かれない記録になったんだけど、32は破られるね』って言ったの。その人、野球ぜんぜん知らない人よ」
となれば、高橋氏の記録は永久不滅ということなのか。
(所ひで/ユーチューブライター)