いよいよ今シーズンのペナント動向を占う春季キャンプに突入。すでに12球団のそこかしこから、大きく燃え上がりそうな空気感が漂う中、くすぶる「火種」が蔓延との不穏情報が届けられた。指揮官と選手の不和からチーム内の「腐ったミカン」の存在まで、大火事寸前のゴタゴタチーム事情を総ざらいする!
やはり、と言うべきか──。「球界の盟主」を自認しながらも球団ワーストタイの4年連続V逸と低迷にあえぐ巨人軍から、さまざまな“火種”が噴出している。
「1から10まで、原辰徳監督(60)の復活と、大型補強の弊害ですよ。中でも投打におけるチームリーダーの流出は、それを断行した原監督と残った選手との間に、決定的な亀裂を入れ始めている」(球界関係者)
言うまでもなく、長野久義(34)と内海哲也(36)の“プロテクト漏れ”のこと。生え抜きへの厚遇はこれまで巨人の常だったが、
「巨人は大竹寛(35)を広島からFAで獲得した際に、人的補償で今や広島の中継ぎの要に成長した一岡竜司(28)を獲られたことがフロントのトラウマとなり、若手中心にプロテクトしたという経緯はある。とはいえ、プロテクトの最終決定は原監督です。特に長野切りは、原さんの愛弟子と言われる坂本勇人(30)でさえも激怒した。坂本はキャプテンであるがゆえ、若手、ベテラン、野手投手問わず声をかけ、チームの潤滑油だった長野を相当頼りにしていましたからね」(球界関係者)
指揮官へ噴き出した不信をさらに決定づけたのは、原監督の言動だ。
「1月8日に大学の特別講義に出席した原監督は長野の流出に触れ、『勝負の世界は足し算ばかりでない。今回の場合、引き算は長野、内海』と語った。まるで選手をモノ扱いしているようにも聞こえ、チーム内から反発が続出したといいます」(巨人担当記者)
信頼が厚い生え抜きレギュラーの長野をリストから外すとあっては、それ相応の理由が原監督にはあったはず。だが取材を進めるうちに聞こえてきたのは、意外すぎる2人の関係だった。
「第2次原政権時、長野が一時的に打撃不振に陥ったことがあったんです。原監督はなじみの記者たちに『長野は動体視力が悪いと思うんだよ。だから、一度検査を受けろって言ってやったんだ』と、不振の理由を吹聴していました。ところが蓋を開ければ長野の動体視力はめちゃくちゃよかった(笑)。検査結果を聞いた原監督の顔はこわばっていたとか。つまり長野は何も悪くないのに、プライドの高い原監督が勝手に『赤っ恥をかかされた』と根に持っていたというんです」(球界関係者)
そんなハタ迷惑な逆恨みでプロテクト外しを決めたとは思いたくないが‥‥。
一方、追放の憂き目にあった長野は日本ハム、ロッテと2度のプロ入り拒否を経て巨人に入団した経緯の持ち主だ。愛する球団を出たことで、モチベーションの低下も心配されると思いきや、事情は違った。
「『どうしても巨人でなければ』ということなら、元中日・岩瀬仁紀(44)のように、拒否する“裏技”は可能だったはず。実は長野の『巨人愛』は薄いんです。ドラフト当時の関係者が確認したところ、本当はすぐにでもプロ入りしたかったといいます。ところが、大学関係者と巨人が裏でガッチリ手を組んで、長野の家族にも了承させて、巨人以外の入団が許される状況ではなかったんだとか。当の本人は、ソデにした形の他球団にも誠心誠意説明を尽くし、逆に担当者に感激されたんです。とはいえ、今回のことにじくじたる思いはあるでしょうから、巨人へのリベンジには期待したい」(球界関係者)