南米ボリビアのサンタ・クルス県にそびえる、標高1950メートルのオリエンタル山脈。そんな高地にある古代遺跡が、1998年にユネスコの世界遺産に登録された「サマイパタの砦」である。
「ボリビア版マチュピチュ」と呼ばれるこの砦は世界有数のパワースポットとして知られ、連日、国の内外から多くの観光客が押し寄せている。
ただ、砦とは名が付くものの、実際には軍事拠点として使われていた形跡はなく、建造した先住民族も特定されていない。古くから、近隣にあるサマイパタ周辺の人々が宗教的儀式に用いていたのでないか、とされてきた。
ところが、そんなサマイパタの砦を「UFOの発着施設跡」だと主張する人物がいる。古代宇宙飛行士説の主唱者で、「神々の戦車」(邦題「未来への記憶」)の著者でもある著名な作家エーリッヒ・フォン・デニケンなのだ。UFO研究家が語る。
「砦の岩肌にはジャガーやピューマ、ヘビ、人間などを描いた彫刻が刻まれているのですが、遺跡頂上には、ヘリコプターの着陸ポイントを思わせる大きな円が描かれているんです。デニケンによれば、そこがUFOの着陸場になっていて、つまりは峠そのものが宇宙人を迎い入れる交信場だったのではないかと。そんな主張を繰り返しました」
するとなんとも不思議なことに、オリエンタル山脈周辺で緑色の光を放つオーブの目撃談が多発し始める。地元で大きなニュースになり、頂上付近の岩は今や「UFO石」と呼ばれるようになった。
以前は自由な出入りが可能だった岩に刻まれたシンボル群をはじめ、「UFO石」周辺も世界遺産に登録されて以降、いたずら被害などを防ぐため、見学のみが可能に。それでも、サマイパタの町からは不思議体験を求めて連日、数十台の観光バスが訪れるという。この「ボリビア版マチュピチュ」では現在も、UFOの目撃談があとを絶たない。
(ジョン・ドゥ)