玉ねぎに優れたパワーがあることはよく知られており、ピラミッドの建設も玉ねぎの力によるとまで言われているのだが、なんとその時代から、発毛効果も認められていたという。
古代エジプト時代から人類は薄毛に悩んでいたといい、紀元前1500年頃に古代エジプトで書かれた医学書「エーベルス・パピルス」には、現代では荒唐無稽な方法とはいえ、すでに薄毛の治療法が記載されている。そして2世紀のギリシャの医者ガレノスが行っていた育毛法は現代でも生きていた。それが「玉ねぎ発毛法」なのだ。ガレノスは自著「自然の機能について」でこう述べている。
〈玉ねぎを毛のなくなった人の頭にあてると、髪の毛が元通りになる〉
料理教室を開いている管理栄養士の中川孝子氏が玉ねぎパワーの理由をこう解説する。
「血小板の凝固を抑え、末梢血管を拡張、血行と代謝を促し、血中の脂質を減らす。血液をサラサラにするアリシンや、肝機能を高めるグルタチオン、強い抗酸化作用で活性酸素を取り除くケルセチンなどが含まれています」
中でも凄いのが、ケルセチンなのだという。
「ケルセチンには皮脂組織など、皮膚バリア機能を強化し、頭皮の老化を防ぐ凄い発毛効果があります」(ヘアコンサルタント・工藤祥子氏)
しかしケルセチンは玉ねぎの皮に含まれている成分。
「食べても効果はありますが、皮ごとは食べにくい。ならば丸ごとスープにして摂ればいい」(前出・中川氏)
さらに前出・工藤氏が勧めるのは、玉ねぎシャンプーだ。家庭で簡単に作れるのもいい。
「玉ねぎを2つにカットしてジューサーにかけ、スプーン1杯分のハチミツを入れれば出来上がり。これを頭皮につけ、よくマッサージするだけ」
マッサージ後30分から1時間ほど頭皮に馴染ませてから洗髪するのがベター。この玉ねぎシャンプーについては、アメリカ国立生物工学情報センターでも、毛髪の再生に効果があったと発表している。試してみる価値はありそうだ。
(谷川渓)