中高年はもとより、いまや若者にとっても悩みが尽きない「薄毛」。
病院での治療、カツラや増毛、育毛シャンプーなど薄毛対策の選択肢は様々だが、最近「ロボットによる植毛」が行われていると話題になっているらしい。
ロボット‥‥我々世代には、なにやら胸アツな響きだが、本当なのだろうか?
発毛と植毛の違い
そもそも薄毛治療でよく聞く「発毛」と「植毛」の違いをご存知だろうか?
「毛髪再生外来」を持つ聖心美容クリニックの鎌倉達郎統括院長に解説していただいた。
「まず発毛は、その場所に元々ある休眠中の毛根を始動させること。一方の植毛は、薄くなった箇所に別の場所から持ってきた自分の毛根を移植することを言います」
毛根の移植と聞くと、何やら及び腰になってしまいそうだが、その効果はなかなかにして侮れない。
「完全に禿げた部分も治療が可能なことと、発毛に比べて個人による効果の差が少ないという利点があります。また、自毛植毛の場合、AGAの影響を受けにくい(≒抜けにくい)箇所から移植するため、”抜けにくい”という性質を維持したまま移植先で成長し続けるのです」
メスを使わない植毛
植毛の歴史をひも解けば、以前は生え残っている箇所から絆創膏ほどの大きさをメスで皮膚ごと切り取り移植していた。当然、切り取った箇所に傷が残った。そこから技術が進歩し、生まれたのが「パンチ法」だ。
「平面で切り取るのではなく、生えそろった部分から毛根を1本ずつ”間引いて”採取し、移植する方法です。切開をしないので、傷は残りにくいことが特長です。しかし、どこから採取するかが医者の経験に委ねられるため、間引いた部分にムラが生じたり、毛根を傷つけてしまったりといった問題がありました。また、手作業のため、患者さまは長時間の施術に耐えなければいけませんでした」
ロボットによる植毛
医学の発展は日進月歩。こうした点を踏まえて、なんとロボットによる移植毛採取が開発されたというのだ。
「CCDカメラで毛髪の生え方を分析。周囲の髪密度を計算しながら採取するので、抜いた箇所にムラができません。さらに、数万通りの統計から、目では見えない皮膚の奥の毛根の角度まで計算し、毛根を傷つけることなく採取するんです。これらの計算と採取をロボットが瞬時に行うため、手術時間もグッと短縮されました」
髪の悩みはロボットにおまかせ! そんな時代が到来したのだ。
参考:自毛植毛ロボット『ARTAS』 http://www.biyougeka.com/contents/hair/artas/?xadid=ASA201412